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相続・税金
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更新日 : 14/09/01

「資産の守り方・活かし方」③税務マネージメントが必須

税理士・中小企業診断士 飯塚美幸

「有利な税制」を活用する仕組みづくり

不良資産を洗い出し、問題物件の改善に向けてスケジュールを立てたら、
次に行うべきことが「税務マネージメント」です。
「税務マネージメント」とは「有利な税制」を活用するための仕組みづくりです。
現在、贈与税が緩和され、法人税が相対的に下がっています。
そこで「有利な税制」を活用することが重要となります。
なぜならあなたにとって、税金が最大のコストだからです。

贈与と譲渡をうまく利用する

贈与税は、もらう人一人当たり年間110万円まで非課税ですから、200万円贈与しても税金は9万円。実に税率は4.5%と低いのです。
数年間、後継者に資産を贈与しそれを後継者の元手とし、収益資産に切り替えるのが得策です。
現金や預金のままでは「名義資産」として将来否認される可能性もあり、注意が必要だからです。

アパート建物を法人に移転するなら譲渡を

日本では「名義確定資産」の代表は不動産です。
物件選定や良い物件を建築することは、将来の不動産オーナーとして必須の能力です。
贈与資金を後継者教育として、ぜひ活用しましょう。収益の成果は後継者の元で蓄積されます。
譲渡という方法もあります。贈与税はもらった人が負担し、譲渡所得税は売る人が負担します。
どちらがよいかは、原価によって異なります。
もし、アパート建物を法人に移転するなら譲渡します。
なぜなら贈与すると、贈った人には時価譲渡課税がかかり、もらった法人は受益課税と税金のダブルパンチになるからです。

「法人化」と「既設法人の見直し」のすすめ

あなた一人に所得が集中して、高い所得税や住民税を負担している場合は法人化が有効です。
特に軒並み増税の流れのなかで、贈与税と法人税だけは震災増税も軽微であり、
現在法人税は減税に転じています。
資産内容により異なりますが、今後は資産を残す有効手段として法人のメリットを生かしていくことが賢明といえます。
法人のメリットは、資本(株主)と経営(役員)を分離することで、会社の財産の所有者と収入を受け取る人を別々にコントロールできることです。
これまでにも、不動産管理会社として法人活用されるケースは多くあります。
しかし、法人が赤字だったり、あまり活用されていなかったりするケース、また「勘違いの法人化」などもあり、法人のメリットを理解せずに設立した例が少なくないようです。

「資産所有会社」が有利

法人にもいろいろありますが、資産を守り殖やし生前から事業承継の準備をするには、「資産所有会社」、それも一般社団法人による法人化が有効です。そのメリットを生かせば、税金を抑えて財産や収益を後継世代へ移転し、また法人所有資産について相続税を非課税にできるのです。
法人化するに当たっては、数多くの注意点がありますが、一定の資産をお持ちのオーナー様は、積極的に検討されるとよいでしょう。
また、既に法人化されている場合は、税務メリットを失っているケースが散見されますので、ぜひ見直しをし、法人のメリットを大いに活用しましょう。

※リンク
「資産の守り方・活かし方」
その①まずは、資産内容の改善を
その②すべての資産を優良物件に
その③税務マネージメントが必須

(プロフィール)

いいづか・みゆき 静岡生まれ。静岡大学人文学部卒業。平成7年エクスプレス・タックス(株)飯塚美幸税理士事務所設立後、税理士法人タクトコンサルティングパートナーを経て、平成25年、松木飯塚税理士法人設立、代表社員に就任。資産税関係のコンサルティングを中心業務とする。事業承継協議会会員、千代田区議会政務調査諮問委員、不動産コンサルティング登録技能士試験委員、東京家庭裁判所成年後見人登録員。著書『財産を殖やす相続対策プログラム』『よくわかる税制改正と実務の徹底対策』『小規模宅地特例—実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断』、『税理士のための相続税の実務Q6A—贈与税の各種特例』ほか多数。

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