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入居者トラブル
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更新日 : 14/09/10

クレーム対応の秘訣⑤「ペット飼育可」に変更すると・・・

弁護士 石川貞行

既存の入居者に「ペット可に変更」の予告を

賃貸住宅の需要減少によって全国的に空室が目立つようになり、家主にとっては、どのようにして空室を埋めればよいのか、その対策が大きな課題となっています。
空室対策にはさまざまな方法がありますが、お金をかけずに入居者を獲得する方法として①家賃を下げる、②ペット禁止をペット可に変更する、などがあります。
①は収入減を伴いますが、②は家賃が上がっても入居したいというペット愛好家が多いため、家賃を下げなくても入居が決まりやすいといえます。
しかし、既存の入居者に予告せずにペット可に変更すると、入居者間でトラブルが発生する可能性がありますので、余裕をもって根回しすることが大切です。

クレーマーのなかには、経済的利益が目的の入もいる

「ペット飼育禁止」を条件として入居契約をしていて、途中から「ペット飼育可」に変更し、新規の入居を認めた場合、既存の入居者から、たとえば「ペット禁止物件だから入居した。契約違反だ。退去するから引越し代を支払ってほしい」「僕も犬を飼ってもいいんだね」などと、クレームが入ることがあります。
契約違反とクレームをつける入居者には、真にペットアレルギーの人もいれば、あまり気にせず入居したのに、契約条件違反に便乗して家賃減額を要求する人もいます。
そのため、ペット「飼育禁止」から「飼育可」に変更して募集をする場合、家主はクレームを予測して対策を立てることが重要です。

原状回復やクレームに備えて、検討したいこと

では、どのような対策を行えばよいのでしょうか?
一つは、ペット可として新しく募集する際は家賃や敷金を値上げし、退去時の原状回復費用が超過した場合の備えとして、また同時にクレーム対策に充てる費用として準備しておきましょう。
万一他の部屋の入居者からクレームが発生した時に、家賃を少し値下げしてガマンしてもらうというケースも考えられるからです。
もう一つはペットの種類などを制限することです。たとえば小型犬と猫に限定し、一匹一代限りとしてペット登録をしてもらいます。
同時に、他の入居者をはじめ近隣に迷惑をかけないことなど、ペット飼育に関する規定を設けます。
そして、入居者には「ペット飼育可」はその規定を守ることが前提であることを理解・承認してもらうよう努めてください。
ペットが原因で近隣に迷惑をかければ、家主はその飼育を制限、禁止せざるを得なくなり、入居者にとっても不幸な結果になるため注意が必要です。

もし、既存の入居者が納得しない場合は・・・・

では、家主が努力しても「ペット可への変更」を納得しない既存の入居者には、どう対応すればよいのでしょうか? まずは、その真意を見極め最悪の場合は調停とか訴訟も視野に入れる必要があります。
つまり、裁判費用相当額を引越し費用として支払うことを覚悟した上で、契約解除に合意してもらうよう交渉してください。

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プロフィール

いしかわ・さだゆき 1940年、愛知県生まれ。1972年、中京法律事務所開設。『家主・法律実務家・仲介業者のための借家トラブル解決マニュアル』『借家トラブル解決文例集』『家賃滞納トラブル解決マニュアル』ほか多数。趣味関連の著書に『名古屋周辺からの釣り船・船宿ガイド』がある。

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