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入居者トラブル
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更新日 : 14/09/10

クレーム対応の秘訣③駐車場におけるトラブル

弁護士 石川貞行

駐車場でのトラブルは発生件数が多く、しかも多様

マンションなど共同住宅における駐車場トラブルは非常に多く、その内容は

①駐車場契約者が被害者の場合、②駐車場契約者が加害者の場合、③駐車場の設備に不具合があった場合、④駐車場使用権をめぐる問題など、さまざまなケースがあります。

そのうち、②は駐車場使用規則に禁止事項を明記することで、契約者の騒音迷惑、駐車方法・使用方法違反などのペナルティを課すことで解決できます。
③の設備の不具合は、進入口や車止め、舗装の不備など、駐車場を使用する上で支障があれば家主の責任で改良しなければなりません。
④の使用権は用途変更に伴う駐車場閉鎖によって生じる解約などで、法律上難しい契約問題が伴います。
頻度の高い①のケースについて、詳しく見てみましょう。

問題が起きると「被害者」の怒りのほこ先は貸主に

賃貸マンションでの駐車場契約者は通常入居者です。
その被害とは、駐車中に車上狙いに遭ったり車にイタズラをされたり、また帰宅して駐車しようとしたら他人の車が止まっていて駐車できないなどのケースがあります。
犯人が不明な場合、契約者は怒りをぶつけるところがなく、貸主(管理会社)に
「管理の怠慢で被害に遭ったのだから弁償してほしい」と主張されるケースがあります。
通常、契約書(駐車場使用規則)では貸主は「駐車場で起きた事故については責任を負いません」と免責事項を定めております。
しかし、そのことを伝えても「駐車料金を支払っているんだから、責任をもって管理するのは当たり前だ」と怒りはおさまりません。

「駐車場使用料」と貸主の免責事項

そもそも共同住宅の駐車場使用契約は、契約者に共同駐車場の一区画を一定の使用料を支払うことにより使用(駐車)する権利を付与するに過ぎません。
したがって、駐車中の車が事故に遭わないように常時監視する義務は貸主にはありません。
もし、義務があるとしたら貸主は事故防止のために管理人を置かなければならず、その結果、駐車場管理の経費は増加し駐車場使用料を増額せざるを得ません。
駐車場使用料は、事故などに対する免責を条件に設定されているものであり、明示された特約の有無にかかわらず、契約者は使用料の額を考えれば免責されることを理解できるはずです。
このことは、一般の有料パーキングも同じで、駐車料金は免責特約があることを前提に設定されております。
別の例で言うと、火災保険では地震被害については免責の上で保険料が設定され、地震被害まで補填される地震保険では保険料が別途必要となっているのも責任の軽重によるものです。

駐車場使用料の内容を理解してもらえば、円満に解決できる

以上のような駐車場使用料の設定内容を契約者に理解してもらえれば、「被害者」との話し合いは100%円満に解決できるはずです。
ただし、車上狙いは窃盗罪、車の損傷は器物損壊罪であり、常習性が高い犯罪です。度重なる場合は、共同駐車場の平穏や安全のために貸主も防犯に努め、場合によっては防犯灯、監視カメラの設置なども検討し、契約者全員との信頼関係の維持に努力するのが賢明といえます。

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プロフィール

いしかわ・さだゆき 1940年、愛知県生まれ。1972年、中京法律事務所開設。『家主・法律実務家・仲介業者のための借家トラブル解決マニュアル』『借家トラブル解決文例集』『家賃滞納トラブル解決マニュアル』ほか多数。趣味関連の著書に『名古屋周辺からの釣り船・船宿ガイド』がある。

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