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入居者トラブル
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更新日 : 14/09/04

クレーム対応の秘訣①結露の被害とクレーム

弁護士 石川貞行

結露は賃貸人の義務を問われる問題にもなりかねない

賃貸住宅のトラブルで騒音と並んで多いのが「結露」です。
少し古い資料になりますが、平成16年に住宅設備メーカー(INAX)が行なったアンケートによると首都圏に住む人の約90%が結露を経験し、結露によって汚れたり、カビが生えて困るといった人が半数以上いるとのことです(中日新聞、平成16・12・21朝刊)。
建物賃貸借契約において、賃貸人は家賃を受領して住居を貸す以上、住居として
使用に適する建物を提供する義務があります。
結露はその義務違反を問われる問題ともなりますから、賃貸人(管理会社を含む)は軽々しく対応してはなりません。
結露を理由に賃借人から賃料支払いを拒否された上、「こんな部屋には住めない、引っ越しするから引っ越し代を支払ってほしい」などと発展してしまうこともあるのです。

そもそも結露は、なぜ起こるのか?

賃貸人として結露問題に、どう対処すべきでしょうか。
それには結露発生の原因が何かを理解した上で対処しなければならないため、
まずは結露に関する基礎知識が必要です。
空気には水蒸気が含まれていますが、その含有量は温度によって異なり、温度が高い空気ほど多くの水蒸気を含みます。
そして、暖気が冷たい物に接すると、飽和量を超えた水蒸気が水滴となります。
これが「結露」です。窓ガラス面などに生ずる外部結露と壁クロスや押入れ内壁などに生ずる内部結露があり、やっかいなのは気が付きにくい内部結露です。

結露を防止する四原則とは?

結露は空気に含まれる水蒸気の量と温度差によって生じますので、防止するためには、下のことが必要です。

①適度な室温を保ち、外気との差を少なくする

②過度の湿気がない状態にする

③空気の流通をよくする

④適度に換気をする

これら結露防止の四原則といわれています。

(『結露防止ガイドブック』。旧建設省監修、財団法人I・B・E・C発行)。
この四原則を守らず、窓を閉め切って過剰暖房をしたことによって生じた結露は、賃借人側に責任があると考えざるを得ません。
しかし、賃借人が結露防止に努力しているにもかかわらず結露が発生したときには、建築工事の瑕疵(かし)など他の原因を疑わざるを得ません。
その場合、通常カビは一室だけではなく他の部屋にも発生します。

賃借人から結露のクレームがきたら…

賃借人から結露について苦情があった場合、賃貸人としては、まずその賃借人が
結露防止四原則を守って生活しているかどうかを確かめると共に、同じ建物内の
他室からの結露被害の訴えがあるかどうか確認する必要があります。
もし、他室からの訴えがなく結露被害を訴えている賃借人の居住の仕方に問題があれば、その賃借人に「結露被害」の責任があると考えられます。
しかし、賃借人に責任があると決めつけて話し合いをすると、感情問題が派生し、かえってやっかいになります。そこで居住の心得の一つとして、
契約書に「結露防止のための注意事項」を必ず付記もしくは添付し、口頭でも説明しておきましょう。
そして実際に結露被害のクレームがきた場合は、まずその注意義務を守っているかどうか確認し、話を進めるようにしましょう。

リンク

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プロフィール

いしかわ・さだゆき 1940年、愛知県生まれ。1972年、中京法律事務所開設。『家主・法律実務家・仲介業者のための借家トラブル解決マニュアル』『借家トラブル解決文例集』『家賃滞納トラブル解決マニュアル』ほか多数。趣味関連の著書に『名古屋周辺からの釣り船・船宿ガイド』がある。

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