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原状回復・長期修繕
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更新日 : 14/09/11

建物の点検とメンテナンス①建物の「生涯コスト」を考える

不動産コンサルタント (株)さくら事務所会長 長嶋修

最初の建設費は、建物の生涯コストの30%程度

アパート・マンション経営は、言うまでもなく「収益事業」です。そして収益事業の基本は「投資に対するリターンをきちんと得ること」にあります。

そのことを建物との関係で考えるとき、非常に重要なことがあります。建築の際は「少しでも安く、よいものを」と考えるため、どうしても建設費や坪単価などのコストに目がいきがちですが、実はイニシャルコストである建設費などは、建物の一生にかかるコスト(生涯コスト)に比べれば小さなものなのです。

総コストの低い建物がベスト

「設計費」に始まり「建設費」運用中の「点検・修繕・更新費」「水道光熱費」「税金・保険料」、そして「解体費」に至るまで、建物の一生にかかるコストを「ライフサイクルコスト」といいますが、当初の建設費はそれら全体のせいぜい30%程度に過ぎません。

つまり、イニシャルコストの圧縮も重要ですが何より「ライフサイクルコストの低い建物」を目指すのがベストなのです。
安かろう悪かろうの建物を建てると何かと修繕に費用がかかり、後の運用に手間とお金がかかって大変です。

問題が起きてからの修繕は、根本的解決はむずかしい

建物を建てた後、大切なことは問題が起きないように「予防的で適切な点検・メンテナンス」を行うことです。

この「予防保全型修繕」と、トラブルが発生してから行う「対処療法型修繕」とでは、ライフサイクルコストは全く違ってきます。問題が露呈してからの修繕は、後手後手に回り、根本的な解決ができないものです。

たとえば雨漏りや水漏れなどの原因は、シーリング材の劣化や配管のずれなど、理由は単純である場合が大半です。しかし、長い間放置しておくと木材や鉄筋が腐るなどして修繕に多額のお金と時間がかかり、直しても元の性能には戻せないこともあります。

それに対して「予防保全型修繕」では、建物が大きくダメージを受ける前にメンテナンスを行うため、結果的に修繕の総コストが少なくて済みます。

メンテナンスは建物の寿命にも大きな影響を及ぼします。建築後、全く手を施さなかった建物と「予防的で、適切な点検・メンテナンス」を行ってきた建物とでは、寿命は2倍くらい違ってきます。

リンク

アパート・マンションの点検とメンテナンス
その①建物の「生涯コスト」を考える
その②建物の寿命を延ばそう
その③建物は、水が大敵

プロフィール

ながしま・おさむ 1976年、東京都墨田区生まれ。1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。『中立な不動産コンサルタント』としてマイホーム購入・不動産投資など不動産購入ノウハウや、業界・政策への提言を行なう。著書・メディア出演多数。
(株)さくら事務所
NPO法人日本ホームインスペクターズ協会

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