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相続・税金
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更新日 : 14/09/01

資産を活かす「税務マネージメント」①共有・組換え・アパートの相続対策

税理士・中小企業診断士 飯塚美幸

事例1.土地の整備と共有の解消—「税務特例」で兄弟共有を各自独立に

Aさん兄弟は2分の1の共有で道路側の土地と奥の旗竿地を相続しました。
土地の使用状況は複雑で崖地上の奥に本家の母屋があり、兄一家が居住。
崖下の道路側の土地に弟の自宅と兄の賃貸住宅があります。
高齢になるにつれ、家族の仲がしっくりいかなくなり、このまま共有状態では
将来の処分や建替えに支障が生じます。
そこで兄と弟の持分について、税務特例による「固定資産の交換」を実施。
譲渡税を負担することなく、各自独立の土地にできました。

トラブル回避と税金コストの削減

兄弟共有はトラブルを回避するために早期に解消しておくべきですが、
その際、登録免許税などのコストを最小限に抑える必要が生じます。
そのため、先述のような方法で解決しました。

事例2.資産組換えと評価引き上げ—資産組換え後、大型賃貸住宅を建築

Mさんは地主様のご長男。貸地の契約書がなく、測量や境界確認が
ほとんどできていないことがわかりました。
まずは貸地の測量に着手。借地境の確定や所有権境の確認書の取得、および貸地の契約書整備を行ない、適正地代に引き上げました。
このプロセスで借地人の状況も判明し「高齢化した借地人からの借地権買取」
「借地人親族への底地売却」「借地底地の交換」などの問題を解消していきました。
(将来の相続税の物納対策でもあります)。
さらに虫食いの土地は「固定資産の交換特例」を使って借地権と所有権の交換を提案。
古家の借地人達は、交換した所有権地での建替えに喜んで応じました。
統合した土地には共用部が充実した大型の賃貸住宅を建築。
街路も整え、所有地全体の賃料水準を引き上げました。

地主として、王道の相続対策

これで売るにも貸すにも良い土地になり、相続税は上がりますが収益が見込めるため、納税対策が可能となりました。
評価引き下げばかりを目的とする相続税対策とは真逆の地主としての責務を果たす王道の相続対策です。

事例3.収益力の贈与—アパートは、そのまま贈与すると逆効果

アパートオーナーのKさんは相続税対策として、これまで毎年110万円ずつ子供に贈与してきました。
しかし、それだけではなかなか埒があきません。
アパートの中には年間賃料500万円(築15年の固定資産税評価300万円)のものもあります。
そこで、このアパート建物を子供に贈与。
貸家の相続税評価=7割評価210万円から贈与税非課税の110万円を控除すると贈与税の課税対象は100万円となり、贈与税は10万円に。
つまり10万円の負担でその後の年間収入500万円を不動産所得として子供が受け取ることができます。

「貸家建付地評価」を継続するために

ただし、そのままではその後、賃借人が交代した場合、土地の相続税評価額が
「貸家建付地評価」から「更地評価」となり相続税が増額になりますので、
相続税対策としては逆効果です。
そこで、贈与前にサブリース会社(同族会社でもOK)に一括賃貸し、
その上で「建物贈与」をすれば土地の「貸家建付地評価」を継続することができます。

※リンク
資産を活かす「税務マネージメント」
その①共有・組換え・アパートの相続対策
その②遺言書作成のポイント
その③法人化のメリット

(プロフィール)
いいづか・みゆき 静岡生まれ。静岡大学人文学部卒業。平成7年エクスプレス・タックス(株)飯塚美幸税理士事務所設立後、税理士法人タクトコンサルティングパートナーを経て、平成25年、松木飯塚税理士法人設立、代表社員に就任。資産税関係のコンサルティングを中心業務とする。事業承継協議会会員、千代田区議会政務調査諮問委員、不動産コンサルティング登録技能士試験委員、東京家庭裁判所成年後見人登録員。著書『財産を殖やす相続対策プログラム』『よくわかる税制改正と実務の徹底対策』『小規模宅地特例—実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断』、『税理士のための相続税の実務Q&A—贈与税の各種特例』ほか多数。

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