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入居者トラブル
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更新日 : 14/10/27

クレーム対応の秘訣⑨「入居時の設備不良」のトラブル

弁護士 石川貞行

新しい入居者のために、設備の点検は周到に

入居してすぐに「設備に不具合があるから至急修繕してほしい」と、賃借人からクレームが入ることがあります。
実例として①設備関係:エアコン、給湯器、風呂、ガス器具、②水回り:水道水変色、水漏れ、③内装:建具の不具合、④クリーニング:ゴキブリ等の死がい、⑤環境面:道路、列車騒音、夜間照明などさまざまなものがあります。
これらのクレームは、貸主側(家主、仲介・管理会社)が入居直前に十分に点検をすることで防止できるものもあります。
たとえばガス器具では、入室したらガスの臭いがした(ガス漏れ)という事例は、点検ミスが原因です。
また、ゴキブリの死がいが見つかるなどのケースは、消毒後の室内チェックを怠ったためです。
胸をふくらませて入居した途端、設備不良に出くわしてしまうと、入居者は気分を大きく害され、なかには契約をキャンセルする人もいます。
こうした事態を避けるため、貸主側として周到な点検を行うことは当然といえます。
一方、借主にも契約前または入居前に、物件を下見して確認・納得してもらっておきたい点があります。
特に建物周辺の環境面では、状況を理解してもらい、あとからクレームが起きることを避けたいものです。

ライフラインは、使用して初めてわかることもある

しかし、貸主や借主が点検・下見をしてもわからないことがあります。
たとえば電気、ガス、水道などのライフライン。
これらは、入居前は止めてあるため、実際に使用してみないと問題を発見できないことがあります。
したがって契約時に、前もって水漏れや電気機器の故障などは「入居後不具合が見つかったら直ちに連絡してください」「不具合を知った上で使用し、それによって生じた損害は原則として補償いたしかねます」などといった注意書を渡しておくことをおすすめします。
また、入居の際に、設備などのチェックポイントを記したリストを渡し、チェックが済んだら返送してもらうようにすれば、クレームの防止に役立ちます。
同時に、このチェックリストは、「退去時の原状回復義務の有無」に関わる資料ともなりますから、きちんとチェックされているか否か、確認しておくとよいでしょう。

信頼関係を維持するための、気配りが大切

賃貸借契約は、できるだけ長期継続が望ましいところです。
その基本的なカギとなるのが、貸主と借主の間に信頼関係です。
入居早々、設備トラブルが原因で対立すると信頼関係の樹立は難しくなりますので、気配りを忘れないようにしたいものです。
たとえば風呂の不具合に関するクレームなら、名目を銭湯代として実費プラスお詫び料を支払うなどすれば、潤滑油ともなるでしょう。
何より重要なことは、家賃を払い続けて住んでいただく入居者を大切にすることです。「住まわせてやる」という発想は、過去のものと肝に銘じましょう。

リンク

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プロフィール

いしかわ・さだゆき 1940年、愛知県生まれ。1972年、中京法律事務所開設。『借家トラブル解決文例集』『家主・法律実務家・仲介業者のための 借家トラブル解決マニュアル』『家賃滞納トラブル解決マニュアル』ほか多数。趣味関連の著書に『名古屋周辺からの釣り船・船宿ガイド』がある。

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