LIXILリアルティ.comスマート不動産オーナーズ

入居者トラブル
LINEで送る

更新日 : 18/12/26

高齢者が笑顔になるアパート!① 転倒と孤独死を回避する

044686

賃貸オーナー 鈴木かずや

高齢者入居は、何が問題なのか?

超高齢社会を迎えた今、いかにリスクを抑え、上手に高齢者を受け入れるかが賃貸経営の課題の一つとなっています。私は茨城県土浦市で高齢者や障がいがある方を積極的に受け入れる木造アパート「あんしん荘」を2棟経営しています。

今回は、オーナー様のリスク対策と入居者様の満足を同時に実現するには何が大切なのかについて、私の経験をもとにお話しします。

「高齢者を受け入れるリスクより、空室のほうがベター」という苦渋の選択をするオーナー様や不動産会社の方も少なくないと思います。

現に、介護を必要とせず、自立して生活する力がある高齢者(以下、自立高齢者)であっても、「孤独死が怖い」「身元保証人がいないので緊急時の責任が持てない」などの理由で、入居を断られるケースが多々あるようです。

●高齢者が部屋を探す理由とは?

一方で、さまざまな事情から今の家とは別のところで暮らしたいという、自立高齢者が案外多いようです。

例えば、マイカーに乗らなくなり買い物施設へ出かけるのが不便、階段の上り下りが大変という物理的な理由、また子供世帯と同居しているが価値観や生活リズムが異なり気を遣う、といった心理的な理由もあります。

●リスクはかなり軽減できる!

オーナー様が安心して自分のアパートに高齢者を受け入れ、また、入居者様に快適に暮らしていただくためにはどうすればよいでしょうか。リスクは完全にゼロにはなりませんが、さまざまな施策を講じることで、かなりの部分を軽減できると私は考えています。

代表的な2つのリスク「転倒」と「孤独死」について、対応策をお話しします。

手すりの設置で、転倒リスクを解消

高齢者にとって転ぶことは大きなリスクです。若い方は転んでもかすり傷程度で済みますが、身体機能が低下している高齢者の場合は骨折しやすく、入院すれば寝たきりになる可能性もあります。

●入居者の希望する場所に手すりを設置

転倒リスクの解消策として有効なのが手すりの設置です。

ポイントは、①入居者様の希望する場所に設置すること、②内見の際、ご本人に転ぶ危険がある場所を認識していただき、ご本人の体に合わせた高さに取り付けることです。

手すりは掴みにくい位置にあったら使われず、転倒リスクは解消されません。

●危ない場所を入居者と共有

オーナー様が内見に同席することも重要です。ご本人から生活に関するさまざまなことを教えていただければ、入居後も良いコミュニケーションが取れます。

その他、段差には目立つように目印や照明器具を設置したり、転ぶ危険のある場所をお互いに認識し、それを共有することで安全を確保できます。

◇メモ・転倒防止の3 つの工夫

1.手すりは、入居者の希望する位置に設置

2.段差の近くに目印を付ける

3.照明を付けて、足元の段差を照らす

介護事業者と連携し、孤独死の心配を減らす

私が受け入れている入居者様の多くは単身者で、身寄りがないか、あるいは家族関係が疎遠になっているため、孤立や孤独死のリスクが高いと言えます。

大家としては生活が孤立し孤独死が発生してしまうこと、また、亡くなられた後の残置物処理で揉めたくありません。ですがそのリスクは、介護事業者と連携することでかなり解消できます。

入居者様が介護保険を利用している場合、体調やご家族との関係を把握している介護事業者が支援者となっていることが多いです。

介護事業者が入居者様の健康状態をしっかり管理すれば、具合の悪いときは受診や入院を勧めるため、孤独死の心配は激減します。

例えば、週2回の介護サービスを利用する場合は、入居者様に万一のことがあっても、4日以内には発見されることになります。

また、家族とコミュニケーションが取れている介護事業者なら、残置物の処理もさほど揉めないはずです。

※リンク

高齢者が笑顔になるアパート!①対策:転倒と孤独死を回避する

高齢者が笑顔になるアパートづくり!②対策:フェイスシートの活用

高齢者が笑顔になるアパートづくり!③<事例>アパートが団欒の場になった!

 

プロフィール   鈴木かずや すずき・かずや 1982年生まれ。茨城県土浦市の賃貸オーナー。自主管理で高齢者向けアパート「あんしん荘」を運営。高齢者や障がい者を受け入れるコツとノウハウに精通し、「全国賃貸住宅フェア2017 東京」では「リスクを抑え高齢者を受け入れるコツを伝授」のテーマで登壇。超高齢社会のなか、多くのオーナーから注目を集めている。共著に『多世代居住で利回り30%!高齢者向きアパート経営法』がある。

ページの一番上へ