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相続・税金
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更新日 : 18/12/07

相続対策は「満室にする」ことから①資産を最良の形で相続する

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賃貸オーナー 鈴木一哉

相続税は8億円!

資産を最良の形で相続するにはどうすればよいのか?

私が相続税対策に本気で着手したのは、ある日、何もしなければ相続税が8億円かかると知ったのがきっかけでした。どのように考え、どのように対策を実施したのか、その一端をお話しします。

私は神奈川県川崎市で約800年続く「鈴木農園」の長男として生まれました。農業のかたわら賃貸経営を始めたのは祖父の代からで、現在、アパート・マンション18棟150室、駐車場約200台を所有しています。

私がサラリーマンを辞めて賃貸経営に従事したのは6年前。きっかけは、顧問税理士からの一言でした。「今、相続が発生したら、相続税は8億円ほどになる」!

これはヤバい、何とかせねばと思いました。祖父母と両親に「代々受け継いできた土地を一つも売りたくないから経営を任せてほしい」と頼み、対策に着手しました。

以来、賃貸経営や税金、保険などの勉強をし、先輩大家さんにも相談するなど、あらゆる角度から相続税対策に取り組みました。6 年目の現在、相続税額が1 億2000万円ほどまで軽減しました。

私が試行錯誤しながら行ってきた、そしてこれからも続けていく相続税対策についてお話しします。

これ以上、空室は増やせない!

相続税対策として、借金をしてアパートを新築することがよく行われています。しかし、我が家にはそれができない事情がありました。

私が着手した当時、鈴木家の賃貸経営は、祖父母による自主管理だったこともあり非常に厳しい状況でした。

例えば、マンション1棟91室中30室が空室、複数の不良入居者による滞納家賃が総額3000万円近くあるなど、まさに「負の資産」で、固定資産税の支払いにも四苦八苦するありさまでした。

たとえ相続税対策のためでも、これ以上物件を増やして空室のリスクを抱えることはできなかったのです。

そこでたどり着いたのが、どうせ借金をするなら新たな物件を建てるためでなく、今ある空室を解消し、しっかり稼いでくれる物件に改善するために使うということでした。それこそが、相続税対策のための「価値ある投資」だと思ったのです。

資産の現状を把握する

私が考える「価値ある投資」のポイントは、①安定した賃貸経営を維持する②収益を増やす、この2点です。

どこにお金をかけるべきかを検討する前に、まず資産の現状を把握することが不可欠です。固定資産税額、空室の数、銀行からの借入額や金利、毎月の収支など賃貸経営に必要なデータを我が家では全く把握していませんでした。

これを読まれている大家さんのなかにも、「税理士や管理会社に任せているから大丈夫」とご自身では把握していない人もおられるかもしれません。しかし、資産状況を知ることは、経費の無駄を省く上で非常に重要なプロセスです。

この作業を行うことで、例えば「共有部の照明をLEDに替えてランニングコストを節約しよう」「低金利の融資に借り換えられるか相談してみよう」「訴訟を起こしてでも長期滞納者には立ち退いてもらおう」など、具体策が見えてきます。

「価値ある投資」「適切なコスト削減」は、車の両輪のようなものだと思います。

◇「オーナーが把握すべき資産の現状」(一例)

・家賃収入とその推移

・支出とその推移

・不良入居者の有無

・家賃滞納額

・物件ごとの空室の数

・固定資産税額

・火災保険・生命保険の内容と保険料

・借入額と金利

・資産内容と相続税額

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プロフィール  鈴木一哉 すずき・かずや (株)フェルディナス代表取締役。1983年、神奈川県生まれ。川崎市宮前区で約800年続く農家の長男。高校卒業後、大手外食企業勤務を経て2010年より祖父母・両親が所有する賃貸物件の管理に従事。顧問税理士から「相続税は8億円以上」と聞かされ、先祖代々の土地を守るため一念発起。さまざまな相続税対策を開始し、現在も進行中。2011年より現職。

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