「ペルソナ設定」で空室を楽しく解消!②設定のコツと手順
フィーリングリフォーム専門家 賃貸オーナー 山岸加奈
入居者像が見えると、不安がワクワクに変わる
「ペルソナ設定」のメリットは、大家さんが楽しんで空室対策に取り組めることです。空室が続くと不安になるのは「誰でもいいから入ってほしい!」という切実な願いが原因だと思います。
そのように、対象者があいまいなまま多額の費用をかけてリフォームなどの対策をすると、無駄も多くなり不安になって当然です。
「ペルソナ設定」を取り入れると、大家さんの中で入居者のイメージがだんだん具体的になっていき、気持ちに変化が起きてきます。
表情はどんどん明るくなり、「その人が喜ぶ部屋をつくりたい!」とワクワクし、リフォームやモデルルームのアイデアが浮かんでくる方が少なくありません。
このように設定すると楽しくうまくいく
①理想の入居者像を掘り下げる
「ペルソナ設定」のポイントは、年齢や性別、職業といった表面的な属性だけでなく、生活スタイルや引っ越しの理由、好みなど、入居者の顔や服装などがイメージできるくらいまで掘り下げることです。
設定に当たって大切なことは「私の物件は家賃が安いから、高望みをしても無理」などと現実的にならず、理想の入居者をイメージして言葉にしていきます。
一人で行うのは難しいので、話を聞いてくれる知人や家族などにサポートしてもらうとやりやすいです。
②現実に即して修正する
次に、現実とすり合わせて軌道修正します。たとえば、ご相談を受けたある大家さんは木造アパートの2階に空室があり、当初「子供が一人いるシングルマザー」に入ってほしいと考えていました。
しかし、階下には一人暮らしの中年男性が居住中で、子供の足音や声をうるさいと感じる可能性があります。
そこで、「子供なしのカップル」に変更しました。このようにして、最終的なペルソナを決めていきます。
「ペルソナ設定」をする際の具体的な項目をリストアップしておきましょう。
・入居者の年齢
・家族が対象なら夫婦、子供の年齢、性別も
・年収、職業
・起床・就寝時間、出勤・帰宅時間
・買い物に行く時間、休日の過ごし方
・趣味や好み、好きな色
・近所付き合いの有無や状況
・引っ越しの理由(転勤、結婚、学区は変えたくないが手狭になったなど)
入居者像の輪郭がだんだんはっきりしてくると、その人のために何かを考えることがとても楽しくなってくるのです。
(プロフィール)やまぎし・かな 札幌市在住の2代目オーナー。1996年より6年間イタリアに留学し、国立フェッラーラ大学建築学部にて建築・都市計画を学ぶ。帰国後、北海道大学でイタリアの都市計画、地域計画、風景計画を研究。イタリア語通訳・翻訳などを経て、2012年、父から賃貸経営を引き継ぐ。2015年、住む人の気持ちを考える「フィーリングリフォーム」を提唱。現在、全国でセミナー講師や賃貸オーナーへのコンサルタントとしても活躍中。http://feeling-reform.com/
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