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相続・税金
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更新日 : 17/12/05

よくある「確定申告」の疑問①「収入の計上」「貸付けの規模」

36415cd09c63d8164109bfacfc2dd139_s 税理士法人 平川会計パートナーズ代表 税理士 平川忠雄

オーナー様のご質問にお答えします

不動産貸付業の確定申告は、さまざまな税務上の決まりがあます。 今回は「収入の計上時期」「修繕費の考え方」「消費税の計算」「貸付けの規模」「必要経費の考え方」など、オーナー様から寄せられたご質問の中から、間違えやすい事例とポイントをご紹介します。 確定申告は顧問税理士に任されている方が多いと思いますが、これらの事例はぜひご自身でもご確認いただき、早めに準備をなさってください。確定申告は2月16日〜3月15日です。

事例1. 昨年末に受け取った前家賃はいつの収入になるのか?

不動産所得の総収入金額の計上時期は、契約や慣習により支払日が定められている場合は、その日とされています。 したがって、12月に受け取った前家賃は原則として12月の収入として計上することになります。  ●「事業的規模」の場合は、翌年1月の収入にしても可 しかし、不動産賃貸を「事業的規模」で行っている場合(事例3参照)で、以下①②③のすべてに該当すれば、「賃貸期間に対応する年分の収入金額」として計上できるとされており、翌年(平成29年)1月の収入として計上することも可能です。 ①  帳簿書類を備えて継続的に記帳し、それに基づいて不動産所得を計算している。 ②  賃貸期間に対応するすべての収入金額を「その年分の収入」として継続的に計上し、かつ、帳簿上その収入に係る前受収益および未収収益の経理を行っている。 ③1年を超える期間の賃貸収入について、前受収益および未収収益の明細書を確定申告書に添付していること。 なお、「事業的規模」でない場合でも前記①②などに該当すれば、「事業的規模」と同様の取り扱いが受けられます。

事例2.「敷金・保証金の未返還部分」の計上時期は?

敷金や保証金は、本来、賃借人の債務を担保するためのものですから、オーナーの収入にはなりません。 しかし、契約書の上で敷金や保証金の一部などを返還しないことを取り決めているケースがあります。 ●契約時の収入として計上します。 このような未返還部分の敷金や保証金は、実質的には権利金や更新料と変わらないため、収入金額として取り扱われます。したがって、その計上時期は契約の終了時ではなく、賃借人に物件を引き渡した時点(契約時)となります。 なお、契約上、返還を要しない金額が「解約時の賃料の数ヵ月分」とされている場合であっても、少なくとも契約時の賃料は確定しているとの考え方から、契約時の収入金額に計上することとなります。

事例3.不動産の貸付けが「事業的規模」の場合の特例

不動産の貸付けが「事業的規模」であれば、下記の特例を受けることができます。 ●「事業的規模」とは? 建物の貸付けが「事業的規模」かどうかは、社会通念上、事業と言えるほどの規模で貸付けを行っているかどうかにより判定されます。具体的には、次の①②のいずれかに該当するか、または賃貸収入がそれに準ずる場合も認められています。 ①  アパート等:賃貸できる独立した室数がおおむね10室以上 ②独立家屋等:おおむね5棟以上 ●「事業的規模」で受けられる特例とは? 次のような特例の適用が受けられます。 ・一定の親族に支払った給料(青色事業専従者給与)を必要経費に算入できる ・賃貸用建物の取り壊し損失について、全額を必要経費に算入できる ・複式簿記による記帳などの条件を満たすことにより、65万円の青色申告特別控除の適用が受けられる 「事業的規模」とそうでない場合の違いを表1にまとめておきます。表1 ※リンク よくある「確定申告」の疑問①「収入の計上」「貸付けの規模」 よくある「確定申告」の疑問②「修繕費」「消費税」 よくある「確定申告」の疑問③「必要経費の考え方」 (プロフィール)平川忠雄 ひらかわ・ただお 中央大学経済学部卒業。日本税理士連合会理事をはじめ各種委員を歴任。現在、中央大学経理研究所講師、日本税務会計学会顧問を務める。また、税理士法人平川会計パートナーズ代表社員としてタックスコンサルティング業務のかたわら、講演・セミナー講師として活躍中。

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