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入居者トラブル
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更新日 : 17/11/06

立ち退きをスムーズに進める方法その③難航するケースの対処法

握手

交渉が難航しやすい3大ケース

立ち退きの交渉が難航しやすいケースには、次のようなものがあります。

●転居先が見つけにくいケース

借主が高齢や病気などで転居先を見つけにくい場合、難航しやすいと言えます。

以前、私が担当したなかに、築90年の今にも倒れそうなアパートに住む高齢者の立ち退きがありました。電話にも出ない、手紙を送っても応答がない、そんな状態が続いたため、やむを得ず調停に踏み切りました。すると、「何度も裁判所に行くのは嫌だ」と、あっという間に合意に至りました。調停を申し立てることで、交渉を前進させる効果もあるのです。

●借主の気持ちを害してしまったケース

最初のボタンの掛け違いが尾を引くケースもあります。あるオーナー様から「借主が何かと難癖をつけてくる。多額の立ち退き料が目的では?」とご相談を受けました。

交渉してみると、「オーナーの発言が上から目線で気に入らない!」という感情のもつれが原因だとわかりました。オーナー様に謝罪をしていただいたところ、借主の態度が軟化し、極めて少額で和解に至りました。

●法外な立ち退き料を請求されるケース

立ち退き料を1000万円請求してきた借主も実際にいました。このような借主に対しては、瞬時に毅然と拒絶してください。一人で抱え込まず、速やかに調停を申し立てることをおすすめします。

 

成功のカギは「借主を知る」こと

立ち退きをスムーズに行うコツは一言で言えば、「借主の懐に飛び込むこと」です。話をよく聞き、借主を知れば、納得してもらえる落としどころが提案できます。

●交渉開始から1カ月たっても進まないなら

もし、話し合いが長引く場合、ズルズル続けていては借主がますます態度を硬化させるなど、悪い方向に向かう可能性があります。早めに調停を申し立て、交渉にメリハリやテンポを作り出すことをおすすめします。

決断のタイミングはケースバイケースですが、交渉開始から1カ月以上たっても一向に進まないと感じたら、調停の申し立てを検討してよいと思います。

●交渉が難航した場合の対処法

調停でもまとまらない場合、速やかに訴訟に踏み切ってください。訴訟すると裁判官がオーナー様と借主双方の言い分を聞いたうえで、必ず判決を下してくれます。

オーナー様が確実に勝てるというわけではありませんが、立ち退きの必要性をきちんと訴えれば、勝てる可能性は高まるでしょう。

 

初めて立ち退き交渉を行う場合、不安もあるかと思います。しかし、賃貸経営への明確なビジョンと決意を持って臨めば、必ず解決します。立ち止まらず、前に進みましょう。

<立ち退き交渉 オーナーの5つの心得>

①上から目線は禁物!交渉は「お願い」のスタンスで

②借主の話をじっくり聞く

③条件は十分に検討して提示

④付き合いのある借主同士の「立ち退き料」に差をつけない

⑤難航したら、1カ月をめどに調停を申し立てる

 

 

※リンク

立ち退きをスムーズに進める方法

その①スケジュールの立て方

 

立ち退きをスムーズに進める方法

その②交渉の手順と立ち退き料

 

立ち退きをスムーズに進める方法

その③難航するケースの対処法

 

(プロフィール)

上野 晃 うえの・あきら

早稲田大学卒業。2007年弁護士登録(東京弁護士会)。’11年、都内法律事務所勤務等を経て、東京八重洲法律事務所開設。’13年、同事務所の不動産部門を中心に、日本橋さくら法律事務所が発展的に誕生。翌年、弁護士法人化し、現職。賃貸不動産オーナー対象のセミナー講師も多数務める。共著に『弁護士からの提言 債権法改正を考える』(第一法規)がある。

 

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