今すぐ始めたい「長期満室対策」その②快適環境とコミュニケーションづくり
(有)ウエストセンター専務取締役 賃貸オーナー 中西紀二
対策1.知識ゼロでもOK!1時間でできる植栽
「満室対策」として「住まいとしての快適な環境づくり」は不可欠です。今回はなかでも手軽にできて効果の高い対策をご紹介しましょう。
おすすめしたいのは、空きスペースに花を植えることです。
安価で手間がかからない割に見栄えがし、居住空間が明るくなり、入居者様に喜ばれます。狭ければプランターを置いてもOKです。
誰もが知る対策ですが、実行している大家さんは意外に少ないです。その最大の理由は「手間がかかる」という思い込み、あるいは「花のことはわからない」という苦手意識ではないでしょうか。
私もその一人でした。しかし、不思議なもので実際に花を植えると意識が変わり、「続けられるだろうか」という不安は消え、今では毎日楽しく水やりをしています。
●花屋さんを味方にするのがコツ
すぐに始めるコツは、近所の花屋さんに駆け込むことです。季節の花選びや見栄えの良い植え方、世話の仕方を教えてもらい、その通りにすればよいのです。花の知識がゼロの私でも1時間でできました。
●入居者の反応
入居者様やご近所さんからは「マンションの雰囲気が明るくなった」「とてもきれい」などの喜びの声をいただきました。
対策2.チョークボードでコミュニケーション
エントランスのある物件には、2000円ほどで購入したチョークボードを設置。そこに入居者様への短いメッセージを書き、コミュニケーションを図っています。カラフルな手書きのボードは想像以上に見た目のインパクトがあります。
●最低でも月1回は更新する
このボード活用の成否は、メッセージの更新頻度にかかっています。春に書いたまま夏まで放置されているようでは効果がありません。
始めるにあたり私が決めたルールは、毎月1日の午前中には必ず内容を更新すること。内容は、季節の挨拶に入居者様への感謝の気持ちを込めます。月によっては2回以上更新したり、バレンタインやハロウィンなどにはお菓子を置くこともあります。
●イラストのヒントはインターネットで
実はチョークボードを購入したものの続ける自信がなく、設置するまでに時間がかかりました(笑)
続けるコツは、入居者様の喜ぶ顔を思い浮かべることと、無理をしないことだと思います。
例えば、文字だけよりイラストを入れたほうが楽しい雰囲気になりますが、私のように絵が苦手な者はあきらめてしまいがちです。
そんな時は「自分でも描けるもの」を探すのです。インターネットで「3月、イラスト」などとキーワードを入れて検索すると、簡単に真似できるものが多数見つかります。
●入居者の反応
入居者様には大変好評で、小学生の女の子に「朝、このボードを見ると今日も頑張ろうって元気が出ます!」という嬉しい言葉をいただいたこともあります。また、内見に来てこのボードを見た瞬間に入居を決めたという方もいらっしゃいました。
ある高齢の入居者様は、娘さんから「大家さんがこんなことをしてくれる部屋なら安心ね」と言われたそうです。
※リンク
今すぐ始めたい「長期満室対策」
その①真の空室対策は「空室」を出さないこと
その②快適環境とコミュニケーションづくり
その③大家の気持ちを伝えるd
(プロフィール)
中西紀二 なかにし・のりつぐ
賃貸オーナー。1974年福岡県朝倉市生まれ。大学卒業後、予備校の宅建講座講師、分譲マンション管理会社勤務を経て、2010年より家業の大家業を引き継ぐ。現在、福岡市および近郊に6棟129戸を所有し、自主管理ながら高稼働率を実現する、自称「HA・RI☆KI・RI大家」。宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士。オーナー向けセミナーの人気講師としても活躍。