円満相続の秘訣と家族会議その②会議の進め方とリーダーの役割!
DAMAYA COMPANY株式会社代表取締役/賃貸オーナー 木本 孝広
家族会議の成否はリーダーが握っている!
では、実際にどのように家族会議を開いているかをご紹介します。
●開催時期と時間
年1回、全員が実家に集まる大晦日か正月と決めています。夕食後、2時間かけて行います。
●参加メンバー
参加者は両親、子供(長男の私、長女、次男)とその配偶者たちの計8名です。
一般的に、配偶者の参加は「話がややこしくなる」などの理由で否定的な意見もあるようですが、我が家では全員でオープンに話し合うことが大切だと考えています。
●会議の雰囲気づくり
場所はリビングですが、団らんとは一線を画して、フランクななかにも、ちょっと改まった雰囲気で行うよう心がけています。進行にパワーポイントを使うなど、企業のプレゼンテーションのような感じで行っています。集中できるよう、会議の前には子供(孫)たちを寝かしつけておきます。
●リーダーを中心に進行
会議はリーダーを中心に進行します。リーダーは初回から固定で仕切り屋の私が務めています(笑)。リーダーの役割は重要で、会議の成否がかかっていると言っても過言ではありません。
●家族会議とリーダーの役割
リーダーの役割のポイントは以下となります。
・会議の招集
・議事の進行
・話しやすい雰囲気づくり
・内容の記録
・役割分担を決める
・決定事項の進捗状況をチェック
全員が合意できるまで話し合う
争族を避ける上で絶対に必要なのは、遺産の分割について家族全員が共通の認識をもつことです。この点をあいまいにしたままでは先に進めません。そこで、最初に2つのことを行いました。
1)全員が考えをオープンにする
相続で最も揉めやすいのは、「財産の分け方」と「介護や資産管理などの貢献度の評価」の2点です。そこで、どうするかを決める前に、家族全員が自分の考えをオープンにしました。
2)分割方法の合意形成を図る
次に、全員が合意できるまで話し合いました。合意に至った内容は、①原則は兄弟3人で平等に分割。ただし機械のように正確に分けられないので、大体3等分する、②3人のうち、現在親と同居している子がメインで介護を引き受ける(将来、変更するのも可)、③介護をする子の相続分にはその貢献度を加味する、という3点です。
以下に、会議の心構えについて、ポイントを整理しておきます。
1)最初に行うこと
・全員が相続についての考えをオープンにする
・財産の分け方について、合意形成を図る
2)合意形成しておきたいこと
・財産をどう分けるか?
・親の介護をどうするか?
・介護や資産管理などの貢献度を相続にどう反映させるか?
※リンク
円満相続の秘訣と家族会議
その①なぜ家族会議が大切なのか?
その②会議の進め方とリーダーの役割!
その③夢実現のために資産をどう生かすか?
(プロフィール)
木本 孝広 きもと・たかひろ
賃貸オーナー。1973年兵庫県宝塚市生まれ。大学卒業後、東邦レオ(株)入社。都市緑化事業に従事し屋上庭園のプロデュース等を行う。2 0 1 3 年、不動産賃貸事業D A M A Y ACOMPANY(株)設立。築45年の長屋をリノベーションした賃貸住宅、カフェ併設のコミュニティ型賃貸マンションをオープンするなど、賃貸事業を通じてまちづくりを実践する「つくる賃貸」を提唱し実践中。