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空室対策・リフォーム
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更新日 : 17/07/04

「街に人を呼び込む」賃貸住宅の作り方その①満室のカギは街を元気にすること!

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(株)南荘石井事務所 代表取締役/賃貸オーナー 石井秀和

このままでは行き詰まる!

私は川崎市の武蔵新城という街で大家をしています。実家は代々地元で賃貸経営を営み、私で4代目になります。

武蔵新城は、住みたい街ランキングで上位の「武蔵小杉」から2駅、東京の主要都市や横浜へ30分ほどという便利な場所です。少子化の影響もなく、地域には子育て世代があふれ、なんと地元の小学校は全校生徒が約1200名、中学校は1500名というマンモス校になっています。

現在は比較的安定した賃貸需要があり、努力すれば空室は解消できます。

しかし供給過剰の傾向は年々強くなっています。このまま場当たり的な空室対策だけをしていては、いずれ行き詰まるのではないか? 3年ほど前にそんな危機感を持ったことから、街のコミュニティ活性化に目を向け始めました。

今回は、今私が取り組んでいる「街を巻き込んだ空室対策」についてお話しします。

街を元気にしたい!

危機感を抱き、コミュニティの大切さに気づいたのは、私が武蔵新城で生まれ育った「地主系大家」だからかもしれません。

武蔵新城はもともと商店街が8つもある庶民的な町です。昔からお祭りが盛んで、大勢の参加者や見物客で賑わいます。しかし、運営サイドは高齢化し、いつも同じ顔ぶれで若い世代が入ってこないため、どんどん疲れていきます。

これではいずれ祭りは廃れ、街に元気がなくなっていくでしょう。そうなると人は街を離れていき、空室が増えてしまうに違いありません。

地元を活気あふれる街にすること。それが長い目で見た空室対策だと思ったのです。では、そのために何が必要なのか? それを考えることが私の第一歩でした。

マンションの共用部でマルシェを開催。

大切なのは心の交流

供給過剰のなか、お客様に部屋を選んでもらい、長い間住んでいただくためには顧客満足度(C S)を上げることが不可欠と言われます。

私は賃貸住宅における「C S」は「物理的な満足」「地理的な満足」「精神的な満足」の3つに分類されると考えています。

●物理的な満足

設備の充実(オートロック、追焚機能、浴室乾燥機など)や、おしゃれな外観などから得られる満足です。お金をかければ誰でもできることから追随されやすく、付加価値としての寿命は短い傾向にあるため、次なる方法を常に考えていく必要があります。

●地理的な満足

アクセスや周辺環境は満足度を大きく左右します。新たに物件を購入する場合は、重要なファクターです。しかし、既存物件の立地を変えることはできません。

地元の祭り。こんな賑わいをいつまでも

●精神的な満足

安心感や愛着、人との交流など、人として不可欠の満足感です。周知のように、2011年の東日本大震災以後、プライバシー重視だった人々の意識に変化が起きています。賃貸業界でもシェアハウスなどコミュニティをコンセプトにした物件が増えており、交流を求める人がいかに多いかを物語っていると言えます。

以前、私は、コミュニティは賃料アップに直結しにくいと思い、手を出さずにいたのですが、ついにこの「心の満足」に取り組むことにしました。

※リンク

「街に人を呼び込む」賃貸住宅の作り方

その①満室のカギは街を元気にすること!
その②「街の広場」を物件のなかに!
その③入居者と街のためにできること!

(プロフィール)

石井秀和 いしい・ひでかず
1975年神奈川県生まれ。(株)南荘石井事務所代表取締役。自らを「土着系大家」と称する4代目オーナー。東海大学理学部物理学科卒業。エンジニアを経て2000年、(株)南荘石井事務所に入社し賃貸経営に携わる。 ’13年より現職。カスタマイズ賃貸やDIY賃貸を積極的に導入するほか、カフェやマルシェなど入居者と街をつなぐための企画を展開している。

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