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空室対策・リフォーム
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更新日 : 17/06/26

賃貸市場のトレンドを読み解く⑫家賃滞納、とるべき対策は?

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プリンシプル住まい総研所長    上野典行

半数近いオーナーが滞納を経験

「家賃滞納」の問題は、家賃収入がなくなるばかりか、現在の借地借家法では簡単に退去を求めることもできず、オーナーにとって大きな負担となっています。リスクを避けるためには、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか?

相続税増税や少子化による空室、物件の老朽化。賃貸経営にはさまざまなハードルがありますが、「家賃滞納」はその最たるものと言えるでしょう。ある調査によると、実に49%のオーナーが「家賃滞納」で悩んだことがあるという結果でした。その数は、昨今増え続けている「空室」で悩む人より約20%も多いのです。滞納者が住み続ける限り、新たに入居者を募集することもできず、滞納はむしろ「空室」よりもやっかいだといえます。

サブリース契約によるリスク軽減

一棟丸ごと管理会社に借りてもらうサブリース方式は、滞納や空室などの事業リスクを管理会社に転嫁するしくみで、管理会社側が賃料の9割などをオーナーに保証するという方法です。しかし、賃料そのものは相場変動しますので、減収リスクがまったくないというわけではありません。

家賃保証会社を活用する

滞納リスクを回避するために「保証人」をつけるということが慣習としてあります。滞納した場合は「保証人」に連絡して代わりに支払ってもらうというわけです。

ただし、平成27年3月末に国会に提出された民法改正案には、「保証人」がいくらまで保証するのか、金額を明記することが盛り込まれ、改正されました。

たしかに、「保証人」にも払える限度はありますので、上限額記載の流れはあるべき姿といえます。しかし、「上限200万円」などと高額な金額が明記されると、親族以外の「保証人」を確保することは、なかなか難しくなるでしょう。

昨今では、家賃保証会社の活用も進んでいます。一定期間分の家賃債務を代位弁済してくれるため、滞納による減収リスクの軽減に極めて有効です。ただし、この家賃保証会社が倒産して、滞納分がオーナーに支払われない事件も起こっています。活用にあたっては保証会社の親会社等もしっかり確認するようにしましょう。

不動産会社の担当者などの判断も大切

家賃の督促はとても骨が折れるものです。滞納を防ぐためには、契約前の「入口」でのチェックが重要です。家賃保証会社の審査もその一つですが、それだけでなく、入居者の接客をした不動産会社の担当者や、管理会社のチェックも頼りになります。接客時に「この人、大丈夫かな?」と感じた場合には入居を断るという会社もあります。

また、申込書類に記載された勤務先等をきちんと確認する不動産会社も安心して管理を任せられます。

つまりオーナー側は、しっかりした仲介会社や管理会社を選ぶことが重要なのです。中には、こうした配慮が欠けているケースもありますので注意しましょう。

※リンク

賃貸市場のトレンドを読み解く
①あなたの物件は、男性向き?女性向き?
②賃料値下げより、付加価値のアップを!
③「貸してあげる」から「借りていただく」に
④ページビューから見える入居者の本音
⑤入居者の生活水準は上がっていない
⑥今どきの大学生の事情
⑦同棲カップル入居時の注意
⑧LDKはなぜ人気なのか
⑨震災を境に変わった部屋探しの条件
⑩今どきの入居者が求める設備
⑪入居者に選ばれる不動産会社と付き合う
⑫家賃滞納、とるべき対策は?
⑬初期費用の低減はどこまで行くか?

(プロフィール)

上野典行 うえの・のりゆき 慶應義塾大学卒業後、リクルート入社。住宅情報誌編集長、スーモ等の商品・事業開発責任者、賃貸営業部長などを歴任し、2011年退社。
翌年よりプリンシプル・コンサルティング・グループにて現職。生活情報サイトAll Aboutの「賃貸」「土地活用」ガイド。全国で講演・執筆・企業コンサルティングを行う。http://www.principle-sumai.com/

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