LIXILリアルティ.comスマート不動産オーナーズ

空室対策・リフォーム
LINEで送る

更新日 : 17/05/16

賃貸市場のトレンドを読み解く⑩今どきの入居者が求める設備

732277

プリンシプル住まい総研所長 上野典行

エアコン付き、バス・トイレ別は当たり前!?

物件の供給が過剰となっている昨今、賃料ダウンによる入居者確保には限界があり、「選ばれる設備強化」が必要となっています。では、どんな設備が入居の決め手になるのでしょうか。

入居者が「絶対必要」と思う設備のトップは、エアコン。実に7割近くが希望しています。地球温暖化が進み、国も熱中症対策として夏のクーラー使用を推奨しています。地域にもよりますが、空室にはまずエアコンの設置を検討しましょう。

また、バス・トイレ別も6割の人が「絶対必要」と回答しています。「築年数が古いから見向きもされない」のではなく、実は「バス・トイレが別なら古くても気にしない」と思っているケースが多々あります。築年数の違いより、バス・トイレ別かどうかの差が大きいのです。好みだけでなく、バスの湿気がトイレにこもってしまうことなども影響しているようです。

設備の入居者ニーズ

エアコン付き、バス・トイレ別で値上げは見込めない

「絶対必要」で上位にきている設備を新たに導入した場合、「投資した分を賃料アップで回収しよう」と考えると失敗しがちです。特にエアコン付きやバス・トイレ別は、賃料を上げられる設備ではなく、必要最低限のニーズを満たしたに過ぎないのです。

したがって、賃料6万円で決まらない物件を60万円の工事でバス・トイレ別にした場合、「賃料を7万円に上げて、60カ月=5年で回収しよう」と考えるのではなく、「このまま1年空室が続けば6万円×12カ月(72万円)の賃料収入が得られない。それならば10カ月分(60万円)の投資で入居を決めてしまおう」という発想のほうがよいのです。

セキュリティ設備関連は、「賃料次第」

一方、オートロック・ディンプルキー・TVモニターホンなどは、「賃料次第では必要」と回答する人が多い項目です。これらの設備を充実させることで、近隣の物件に比べると、セキュリティ対策が高く安心だな」と選ばれる可能性が拡がります。

また、セキュリティ関連以外で注目したいのは、インターネット付き物件です。入居者のネット接続コストを下げることができるため、トータルで生活費を抑えられれば、多少賃料が高くても入居者メリットが高いといえそうです。

少数派だが、強いニーズがある「ペット可」「楽器可」

「ペット可」や「楽器可」は、「絶対必要」という人が少ないのが特徴です。

しかし、希望する人のニーズは非常に強いものがあります。既にペットと暮らしている人は、何はさておき「ペット可」物件を探しますし、音大生やミュージシャンにとって楽器の練習ができるかどうかは、ライフスタイルに関わる大きな問題です。必要とする人の人数は少なくても、そのニーズが強ければ希少価値が高まると考えてよいでしょう。

入居者ニーズに合わせた設備の変更は、資産価値を維持していくためにも必要不可欠といえます。

※リンク

賃貸市場のトレンドを読み解く
①あなたの物件は、男性向き?女性向き?
②賃料値下げより、付加価値のアップを!
③「貸してあげる」から「借りていただく」に
④ページビューから見える入居者の本音
⑤入居者の生活水準は上がっていない
⑥今どきの大学生の事情
⑦同棲カップル入居時の注意
⑧LDKはなぜ人気なのか
⑨震災を境に変わった部屋探しの条件
⑩今どきの入居者が求める設備
⑪入居者に選ばれる不動産会社と付き合う
⑫家賃滞納、とるべき対策は?
⑬初期費用の低減はどこまで行くか?

(プロフィール)

上野典行 うえの・のりゆき 慶應義塾大学卒業後、リクルート入社。住宅情報誌編集長、スーモ等の商品・事業開発責任者、賃貸営業部長などを歴任し、2011年退社。
翌年よりプリンシプル・コンサルティング・グループにて現職。生活情報サイトAll Aboutの「賃貸」「土地活用」ガイド。全国で講演・執筆・企業コンサルティングを行う。http://www.principle-sumai.com/

 

ページの一番上へ