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相続・税金
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更新日 : 17/01/30

「事業承継」のコツとタブーその②「承継の方法」と「承継者選び」のポイント

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大家さん専門税理士賃貸オーナー 渡邊浩滋

相続・生前贈与・法人化・・・どの方法を選ぶべきか?

事業承継の方法には、次の3つの方法があります。

①相続による承継

相続により経営を承継する方法です。他の方法に比べて税金や諸費用がかからない場合が多いです。しかし、遺言書などの事前準備をしておかないと、相続争いになったり、上手く承継できなくなったりする可能性があります。

②生前贈与による承継

生前に、賃貸物件をお子さんなどに贈与し、経営を任せる方法です。

贈与税が高くならないように、建物だけを贈与したり、相続時精算課税制度を利用する方法もあります。

相続時精算課税制度とは

2500万円までの生前贈与が非課税になる制度です(相続時に相続税の課税対象になります)。2500万円を超える贈与は、超過分について20%の贈与税がかかります(支払った贈与税は相続税から控除されます)。

③法人化による承継

承継者が決まっていないとか、お子さんがまだ小さい場合などには、賃貸経営を法人化するという方法があります。具体的には、同族法人を設立して賃貸物件を法人に移転させてしまうことです。

当初は、オーナー様が代表者になって経営しますが、時期が来たらお子さんを役員に加えておくのです。実際に、賃貸管理などの実務をしなくても、経営判断をする場に参加させるだけでも「賃貸経営とは何か」ということが身に付きます。徐々に賃貸経営を任せて、最終的に代表を譲っていきます。

子供のうち、誰に経営を引き継ぐのがよいか?

お子さんが複数おられる場合、誰に経営を引き継ぐかで悩むオーナー様は少なくありません。承継者選びのポイントをお話しします。

法定相続にとらわれなくてよい

もし土地を守ることを優先するなら、法定相続分にとらわれないほうがよいと思います。子供は平等だからと法定相続どおりの割合にこだわると、賃貸物件が分散したり、上手く分けられないことが多いためです。

経営に向いている子に承継する

また、承継者を選ぶ際、「長男」にこだわる必要はありません。「長男」が賃貸経営に興味を持つとも限りませんし、何よりも大きな責任や借金を背負う可能性があるため、「経営をやり遂げる力がある人」を選んだ方がよいでしょう。

承継者以外の子への配慮を大切に

忘れてはならないのは、承継者以外の相続人への配慮です。遺留分(法律で保証される取り分)を侵害するような分け方の遺言書を作成すると、後々、相続人の間でトラブルに発展する場合がありますので、注意してください。

不動産を相続しない相続人には、代わりの財産(現金など)を渡す必要があります。もしなければ、生命保険に加入し、保険金を代償金として渡すという方法もあります。

事業承継の成功のポイントをまとめておきましょう。

「事業承継」成功のコツ

・元気なうちから早めにスタート

・少しずつ、時間をかけて引き継ぐ

・承継者は経営の適性を見て選ぶ

・承継者以外の子にも資産を残す

・負の資産を残さない

※リンク

「事業承継」のコツとタブー
その①事業承継は元気なうちから少しずつ
その②「承継の方法」と「承継者選び」のポイント
その③承継成功のカギは「万全の準備」

(プロフィール)

わたなべ・こうじ 税理士・司法書士。明治大学法学部卒業。総合商社勤務を経て税理士となる。2008年、両親から危機的経営状態のアパート5棟86室を継ぎ、税理士業と並行して経営を立て直す。‘11年、独立開業。税理士・司法書士の強みを活かし、不動産のスペシャリストとして、また大家の視点から賃貸経営のアドバイスを行う。セミナー、講演多数。著書に「ライフサイクルから考える賃貸経営の税務Q&A」、共著に「大家さんのための超簡単!青色申告」がある。
http://www.w-sogo.jp/
http://ameblo.jp/zeirishiohya/(ブログ)

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