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相続・税金
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更新日 : 17/01/23

「事業承継」のコツとタブーその①事業承継は元気なうちから少しずつ

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大家さん専門税理士 賃貸オーナー 渡邊浩滋

厳しい経営環境のなかで、事業をどう引き継ぐべきか?

私が父から賃貸経営を引き継いで8年。大家さんを取り巻く状況は、年々厳しくなってきていると感じます。

世の中には、大家業を「不労所得」などと言う人もいますが、私の周りのオーナー様からその言葉を聞いたことは一度もありません。むしろ「苦労所得」というジョークを言う方もいらっしゃるくらいです。

そして、苦労をしても、先祖代々の土地を守るために賃貸経営を続け、「自分の代で終わらせない」という強い決意で、次の世代へ承継していこうと奮闘している大家さんが多くおられます。

しかし、子供が自分と同じ思いで引き継いでくれるとは限りません。事業承継が上手くいかないと、せっかく一生懸命続けてきた賃貸経営が水の泡になりかねません。

ポジティブ大家さんとネガティブ大家さんの二極化

私はこれまで様々なオーナー様の事業承継をお手伝いしてきました。その経験から、二代目大家さんは大きく2つに分かれる傾向にあると思います。ポジティブ大家さんとネガティブ大家さんです。

ポジティブ大家さんは賃貸経営に積極的で、会社勤めなど自らの経験を使って創意工夫をしようとします。一方、ネガティブ大家さんは賃貸経営には消極的で、早めに物件を売却して手放そうと考えます。

では、ポジティブとネガティブの分かれ道はどこにあるのでしょうか?

ポジティブ大家さんへの道とは?

それはズバリ、オーナー業を引き継ぐまでに、少しでも賃貸経営にタッチしていたかどうかです。

まったく未経験の方が相続を機に賃貸経営を行うことになると、ほとんどの場合、まず何をしたらよいか戸惑ってしまうのです。

結局「修繕費の支出が多く面倒」「管理会社・入居者さんとのやり取りが面倒」「借入金が多く残っていて返済が大変」などと思い、売却を考えるに至っても無理はありません。

ポジティブな二代目大家さんになってもらうには、できるだけ早めに賃貸経営に触れてもらうことが必要なのです。

いつから事業承継に着手すべきか?

では、事業承継を行うのに適齢期はあるのでしょうか?

今どきは、70代、80代でもお元気なオーナー様はたくさんおられますが、「まだ事業承継は早いな」と思っているうちに・・・というのはよくある話です。さらに、引き継ぐお子さんの側も、職場でキャリアを重ねていくと重要なポストに就いて、賃貸経営に割く時間がなくなってしまうことがよくあります。

事業承継は一朝一夕でできるものではありません。「元気で体力のあるうちから、少しずつ」がおすすめです。

認知症によるリスク

また、最近は高齢化の進行による認知症の問題もクローズアップされています。

大家さんが認知症になり、判断力が不十分になると、健全な賃貸経営ができなくなる可能性があり、以下のような問題が発生します。

・意思能力が不十分と判断されると契約ができない

・本人以外はできない行為がある(預金引き出し・解約、クレーム対応、家賃の督促)

・理解力の低下により、悪質な人に騙される危険性がある

このようなことから、相続までに事業承継をすればよいという発想では遅いのです。

※リンク

「事業承継」のコツとタブー
その①事業承継は元気なうちから少しずつ
その②「承継の方法」と「承継者選び」のポイント
その③承継成功のカギは「万全の準備」

(プロフィール)

わたなべ・こうじ 税理士・司法書士。明治大学法学部卒業。総合商社勤務を経て税理士となる。2008年、両親から危機的経営状態のアパート5棟86室を継ぎ、税理士業と並行して経営を立て直す。‘11年、独立開業。税理士・司法書士の強みを活かし、不動産のスペシャリストとして、また大家の視点から賃貸経営のアドバイスを行う。セミナー、講演多数。著書に「ライフサイクルから考える賃貸経営の税務Q&A」、共著に「大家さんのための超簡単!青色申告」がある。

http://www.w-sogo.jp/
http://ameblo.jp/zeirishiohya/(ブログ)

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