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更新日 : 16/12/26

賃貸市場のトレンドを読み解く⑥今どきの大学生の事情

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プリンシプル住まい総研所長 上野典行

高校卒業者の2人に1人が大学生

賃貸市場はいよいよ春の繁忙期を迎えますが、その一方で「最近、大学生の入居が減ってきた」「今どきの学生って昔と違うの?」という声を耳にします。今回は、大学生市場を取り巻く環境の変化についてお話します。

文部科学省の調査(左図参照)によれば、1987年に4人に1人(24.7%)だった大学進学率は、年後の2012年には2人に1人(50.8%)にまで上昇。一方、少子化の影響で歳人口が減少に転じているにもかかわらず、大学の数はこの年間で474校から783校へと急増しています。こうした状況で、4年制大学の半数近くが定員割れとなっています。今や大学全入時代と呼ばれ、選り好みしなければ、どこかの大学に入れる環境です。

大学も賃貸市場同様、人口減少・ライバル増加・空きの増加に悩んでいるわけです。

同じ偏差値なら、家から通える大学に

次に、自宅通学生の割合の変化を見てみましょう。2000年には50.7%でしたが、2012年には56.8%まで伸びています(2014年日本学生支援機構調べ)。

親は子供に自宅からの通学を望み、学生自身も自宅から通える学校を選ぶ傾向があるようです。学生向けの物件に空室が増えてきている背景には、こうした親と子の意識の変化も影響しているのです。

親からの仕送りも減っている

長いデフレ傾向は︑親からの仕送り額にも影響を 及ぼしています。1994年には平均12.5万円でしたが、2011年には平均9.1万円でした。実に3万4000円も下がっています(2011年東京私大教連調べ)。仕送り額は減っても消費税・電気代・携帯代金などは上がっているので、なかなか賃料を上げられない市場環境になっていると言えます。

生活費の不足分をアルバイトで賄う学生も増えていると推測されるため、大学とアルバイト先の両方にアクセスが良いなど、彼らの生活実態に即した、より利便性の高い物件が求められるでしょう。

部屋探しの主流はスマートフォン

部屋探しの方法にも変化が見られます。20代以下の部屋探しのツールは、今や94.3%がスマートフォン。パソコンの40.3%をはるかに上回っています(2015年不動産情報サイト事業者連絡協議会調べ)。したがって、スマホでいかにライバル物件より効果的に訴求するかが成約のカギです。写真でわかりやすく物件の魅力を伝えることが重要になります。また、これからは通信料を節約できるWi-Fi接続物件の人気がますます上がるでしょう。

大学生をはじめとした若年層をターゲットとする賃貸市場では、このような時代の潮流に敏感で、変化に上手に対応できるスピード感のあるオーナーが勝ち抜いていくと思われます。

※リンク

賃貸市場のトレンドを読み解く
①あなたの物件は、男性向き?女性向き?
②賃料値下げより、付加価値のアップを!
③「貸してあげる」から「借りていただく」に
④ページビューから見える入居者の本音
⑤入居者の生活水準は上がっていない
⑥今どきの大学生の事情
⑦同棲カップル入居時の注意
⑧LDKはなぜ人気なのか
⑨震災を境に変わった部屋探しの条件
⑩今どきの入居者が求める設備
⑪入居者に選ばれる不動産会社と付き合う
⑫家賃滞納、とるべき対策は?
⑬初期費用の低減はどこまで行くか?

(プロフィール)

うえののりゆき 慶應義塾大学卒業後、リクルート入社。住宅情報誌編集長、スーモ等の商品・事業開発責任者、賃貸営業部長などを歴任し、2011年退社。
翌年よりプリンシプル・コンサルティング・グループにて現職。生活情報サイトAll Aboutの「賃貸」「土地活用」ガイド。全国で講演・執筆・企業コンサルティングを行う。http://www.principle-sumai.com/

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