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更新日 : 16/10/10

DIY型賃貸で中古物件を再生!その③入居者が自分で住みたい場所をつくる時代

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有限会社 吉浦ビル 取締役/賃貸オーナー 吉浦 隆紀

どんどん高まる部屋の価値

DIY型賃貸で気になることの一つが、退去時の原状回復ではないでしょうか。

私は、入居者の原状回復義務は一切なしにし、居住中も自由に部屋づくりができるようにしています。その結果、部屋の利便性はどんどん向上し、価値が高まっていきます。退去時の状態が一番ピークと言えるかもしれません。これはオーナーにとっても大きなメリットです。

退去してもすぐに埋まる

以前、結婚のため泣く泣く退去された方の部屋は、キッチンカウンターや棚、様々な造作が追加され、見違えるように進化していました。そこで新規募集の際、試しに家賃を5000円アップしたところ、あっという間に決まってしまいました!

DIY作業のための「工房」を確保

DIYの作業はある程度の広いスペースが必要であり、木くずなどのゴミも出るため、居住中の部屋で行うのは不便な面があります。そこで、空いていた1階のテナントに工具を置き、入居者が自由に作業できる「工房」として開放したところ、皆さんから大好評をいただいています。

コミュニティは、DIYの素晴らしい副産物

DIY型賃貸の魅力は、何と言っても入居者が「部屋を自由に手づくりできる」ことだと思います。プロのような仕上がりではなくても、入居者は、部屋に強い愛着を持ち、より長く住みたいと望むようになります。そうすると、他の入居者とより良い関係を築きたいという思いも自然に芽生えてきます。

通常の賃貸物件では、隣人の顔も知らないことが多々ありますが、DIY型賃貸ではほとんどないと思います。入居前から部屋づくりの過程でオーナーや他の入居者と顔を合わせる機会も多く、自然に繋がりが生まれるからです。

こうしたコミュニティの誕生は、DIY型賃貸の素晴らしい副産物だと思います。

入居者の友人が、次の入居者に

DIY型賃貸を始めて3年。私のマンションには、「シェアハウス」のようなコミュニティができつつあります。入居者同士が声を掛け合い、週に1〜2度どこかの部屋に集まり、鍋を囲んだりバーベキューをしたりして親交を深めています。最近では、入居者の友人が「ここは楽しそう」と、次の入居者になることも増えてきました。

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住みたい街で、好きな部屋を作って住む

DIY型賃貸の入居者はアーティスト、建築関係、IT企業、広告代理店などにお勤めの方などさまざまで、年代も20代前半から30代後半まで多岐にわたっています。

入居者の方たちからよく聞くのが、「今まで、休日は街の中心まで出かけていたけれど、ここに来てから家や近所で過ごすことが多くなった」ということです。

もしかすると、築年数や駅からの分数などだけで部屋を選ぶ時代は終わりつつあるのかもしれません。住みたい街で、自分の部屋をDIYでつくり、部屋づくりを通じて生まれたコミュニティが建物の価値をつくり、そこに加わりたい人が集まってくる――。そんな「住みたい場所をつくる」時代が来ると思います。

DIYを通して、自分のマンションだけでなく、地域のコミュニティも入居者の方たちと一緒につくっていけたらと思っています。

※リンク
DIY型賃貸で中古物件を再生!その①長期入居につながるDIY賃貸
DIY型賃貸で中古物件を再生!その②プログラム進め方と費用負担について
DIY型賃貸で中古物件を再生!その③入居者が自分で、住みたい場所をつくる時代

(プロフィール)
よしうら・たかのり 1976年生まれ。福岡県福岡市で育ち、大学の商学部を卒業後、銀行勤務を経て東京、ニューヨークでの生活を経験。2012年、帰郷し、築40年超の賃貸マンション「吉浦ビル」の3代目オーナーとなる。以来、入居者と一緒に作るDIY型賃貸により満室をキープしている。2015年には街づくり会社「株式会社樋井川村」を設立し、木造アパートを利用した「地域コミュニティカフェ」を今年7月にオープン、広域で活動している。

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