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更新日 : 16/09/19

知らないと損する、損害保険の見直しのポイント!その③不必要な補償や特約を付けていませんか?

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有限会社保険ヴィレッジ 代表取締役
大家さん専門 保険コーディネーター 斎藤慎冶さんに聞く

火災保険の賢い入り方と見直しのポイント

7.火災保険の賢い入り方について、ポイントを教えてください。

斎藤◆大家さんのなかには、不必要な補償や特約に気づかず加入している方もいます。ぜひ一度、保険を見直してみましょう。ポイントは次のとおりです。

①保険の内容を把握する

加入済みの保険内容は、保険証券(保険証書)に細かく記載されています。

②水災リスクが低い立地なら、補償を外す

「総合型」で担保されている水災リスクは、海や河川から遠く、高台にある物件なら、外しても問題はないでしょう。「水災不担保特約」を付帯すれば、全体の保険料が20%〜30%下がります。

③無駄な特約を外す

「類焼損害特約」は、火元の家が近隣に与えた損害を賠償するものですが、賃貸専用住宅には適用されません。もし付いていたら外してください。

④特約のグレードを下げる

特約のグレードを下げることで、保険料を削減できます。

⑤免責金額を設定する

免責金額(自己負担額)を設定し、保険料を割り引く制度を利用します。

⑥保険料率が誤っていたら変更する

火災保険や地震保険の料率は、建物の燃えやすさにより異なります。よくあるのが「準耐火建築物」なのに、誤って「非耐火建築物」の高い保険料率が適用されている木造アパートです。なかには「木造だから非耐火建築物のはず」とずさんな判断をされたケースもあります。「確認済証」で構造を確認し、誤りがあれば申し出により差額を返金してもらうことができます。

8.不要な特約に入っていた時の対策は?

斎藤◆加入中でも不要な特約を外すことができます。火災保険料は一括前払いですが、残存期間分の保険料は払い戻されますので、見直しによって損をすることはありません。

9.特約を付加すべきか迷った時の判断基準はどう考えればよいのでしょうか?

斎藤◆費用対効果から判断するのがおすすめです。特約を付加した時にかかる保険料と、将来のリスクを比較して、どちらが得かを検討します.

◇特約を検討するときの判断例

「建物付属機械設備等電気的・機械的事故補償特約」を10年契約で検討する場合

<軽量鉄骨構造のアパート8戸の例>

・特約保険料5万円(10年契約)

・エアコンの交換費用:約10万円(1台)

・エアコンの耐用年数:10〜15年

→<結論>10年間でエアコンなどを複数交換する可能性が高いので、特約を付けた方が得。

10.入居者の孤独死や自殺、殺人事件などに備えて加入しておきたい保険とは?

斎藤◆孤独死等のリスクは2つあります。まず、室内が汚損・破損した場合の改修費は、火災保険に「破損・汚損特約(または条項)」が付いていれば補償されます。これまで、脱臭施工費は補償の対象外でしたが、2015年10月1日以降の新規契約分からは適用される商品もあります。

もう一つは、孤独死等による空室と家賃の減少です。少額短期保険会社や一部の損害保険会社が、一定期間の家賃を補てんする家賃補償保険を販売しています。

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故障・事故が起きたら、注意すべきことは?

11.故障や事故が発生したら、まず何をすべきでしょうか?

斎藤◆それは非常に大事なポイントです。保険に入っているのに、補償対象ではないと思い込んで、修理してしまう大家さんが実に多いのです。それでは損害の確認ができなくなるため、保険金が支払われません。事故や故障が発生したら初動が大切です。下記を心がけてください。

◇故障・事故が起きたらまず行うべきこと

①生年月日をメモする

②発生場所を確認する

③損害箇所を写真に撮る

④保険代理店に連絡する

⑤修理費用の見積もりを取る

2.最後に、大家さんへのメッセージをお願いします

斎藤◆賃貸経営は「不動産投資」とも呼ばれます。しかし、私は「投資」という言葉に違和感があります。「株式投資」なら、損をして困るのは自分です。一方、大家さんの仕事は入居者、近隣住民、通行人、金融機関など大勢の人を巻き込みます。だから株に保険はなく、賃貸経営にはあるのです。

大家業は、社会や多くの人々の生活基盤を支える「事業」だと思います。人に迷惑をかけないために、必要な保険に加入してリスクに備えることが、大家としての基本的スタンスであり、責任だと思います。

※リンク
知らないと損する、損害保険の見直しのポイント!その①必要な補償は何か、把握できていますか?
知らないと損する、損害保険の見直しのポイント!その②火災保険の基本補償と「おすすめの特約」
知らないと損する、損害保険の見直しのポイント!その③不必要な補償や特約を付けていませんか?

(プロフィール)
さいとう・しんじ 大家さん専門保険コーディネーター、住宅ローンアドバイザー。1965年東京都生まれ。大学卒業後、大手損害保険会社を経て、‘93年、保険代理店を創業。2001年、区分マンションを取得し、賃貸オーナーとなる。同年(有)保険ヴィレッジを設立。「大家さん目線の保険研究」をモットーに、大家さんのための保険のプロとして活躍中。講演、執筆などでも人気を博している。

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