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相続・税金
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更新日 : 16/08/22

契約前に知っておきたいサブリースのことその① サブリース契約のメリット・デメリット

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株式会社 青山財産ネットワークス 執行役員
財産コンサルティング事業本部 副本部長 高田 吉孝

なぜトラブルが起きるのか?

Q1.サブリース契約をめぐって問題が起きていますが、原因はどこにありますか?

高田◆代表的な例は、オーナー様がほぼ全額を借入で借り入れてアパートを新築し、サブリース契約したケースです。しばらく経つと、当初契約していた家賃額が下がりし、ローン返済に影響が出てしまうのです。

Q2.当初の家賃額が下がる理由はどこにありますか?

高田◆築年数が経過するにつれ、物件の競争力は下がり、空室を埋めるために家賃を値下げせざるを得なくなります。加えて、少子高齢化と物件の供給過剰によっても空室率が上昇しています。

人口減少は今や地方だけでなく首都圏にも広がりつつあります。しかし、賃貸住宅の新築の着工件数は、東日本大震災(2011年)や消費税増税(2014年)の影響があった年を除いては増えており、この傾向は続いています。

その背景にあるのは、低金利とオーナー様の相続税や固定資産税の節税対策です。少しでも税負担を軽くしたいと思っているところに、「アパートを建てれば、30年一括借り上げで家賃保証をします」と言われれば魅力的でしょう。
しかし、サブリース契約をめぐるトラブルの最大の原因は、オーナー様がメリットに注目しすぎて、リスクを十分に把握していないことにあると思います。

サブリースで一番大きなリスクとは?

Q3.サブリース契約でオーナーが負うリスクは、どんなものがありますか?

高田◆まず、どんな契約にもメリットとリスクがあり、サブリース契約自体に問題があるわけではないということです。
オーナー様にとってサブリース契約の最大のリスクは、家賃の値下げです。毎月の家賃が保証されているので、リスクはサブリース会社が背負ってくれると信じている方もおられますが、全く違います。

あくまでも一定期間の家賃が保証されるだけで、家賃の下落を防ぐことはできません。恵まれた立地でない限り、最低でも家賃は10年間で10%、15年間で20%くらいは下落すると考えておかなければなりません。

Q4.今後、その流れはどう変化していくと推測されますか?

高田◆少子高齢化による人口減少は、これからが本番です。特に首都圏でも2025年頃にはかなり状況が厳しくなります。新規の住宅需要層(20歳〜49歳)の人口は今後15年間で20%以上減少しますので、空室や家賃下落はこれまでとは比較にならなくなってくるでしょう。

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サブリース契約の仕組みをおさらいしておこう

Q5.サブリース契約の仕組みについて、おさらいしておきたいのですが・・・。

高田◆本来サブリースは「転貸」という意味ですが、一般的に賃貸業界では「一括借り上げの家賃保証契約」として認識されています。多くの場合、サブリース会社が物件を一括で借り上げ、空室・滞納の有無にかかわらず、一定期間、保証した家賃を支払ってくれる仕組みです。

Q6.サブリース契約の費用はおよそいくらくらいですか?

高田◆新築の場合は賃料の10%、中古物件では、15%くらいが一般的です。

Q7.サブリース契約のメリットについて具体的にお話しください。

高田◆メリットの要点をあげますと①一定期間、空室による家賃損失がない。②入居者募集の手間が不要。③仲介手数料が不要。④滞納リスクが少ない。⑤管理を一任できる。⑥確定申告がシンプルなどです。

一般的にサブリース費用(賃料の10〜15%)は管理委託料(賃料の5%)より高いですが、信頼できるサブリース会社と契約を結べばメリットは大きいと言えます。

Q8.サブリース契約のデメリットは、どんな点にありますか?

高田◆通常、物件の修繕やリフォームを行う場合は、相見積もりを取って検討しますが、サブリース契約の場合、工事内容や費用は全てお任せになるのが一般的です。そういうことからデメリットとして、競争原理が働きにくく割高になるケースもあるということが挙げられます。その点を理解した上で契約を結ぶことが大切です。

また、オーナー様の中には、サブリース会社からの請求内容をよく確認せずに支払う方も少なくありません。これまでの例では、本来オーナー様が支払う必要のない共益費が家賃額から差し引かれていることに長期間気づかなかったということもありました。たとえお任せでも、きちんと費用を確認する必要があると心得ておきましょう。

※リンク
契約前に知っておきたいサブリースのことその①サブリース契約のメリット・デメリット
契約前に知っておきたいサブリースのことその②注意したい「解除条項」とオーナーの責任

(プロフィール)
たかだ・よしたか 株式会社青山財産ネットワークス(東京都港区、東証二部)にて財産コンサルティング事業本部の副本部長(執行役員)を務める。資格:CFP(一級FP技能士)、公認不動産コンサルティングマスター、宅建士他。主に地主さん向けに相続の事前対策から事後対応を手掛ける、相続不動産コンサルティングの第一人者。コンサルティング実績は数百件に及ぶ。

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