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相続・税金
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更新日 : 16/05/16

絶対押さえておきたい、相続税の節税対策その③法人の設立で、相続税・所得税対策を有効に

東京メトロポリタン税理士法人
統括代表 税理士 北岡修一
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「小規模宅地等の特例」の改正では、貸付事業用宅地についてはあまり優遇されませんでした。貸家建付地の評価減もあること、また、相続税対策があまりエスカレートし過ぎないようにとの配慮もあるのでしょう。

「不動産所有法人」を活用しよう

そこで不動産賃貸業を営んでいる方は、ぜひ、「不動産所有法人」を使った相続税・所得税対策を検討されてはいかがでしょうか? 税制改正の流れにおいても、法人減税・個人増税となっていますので、法人活用は一考に値すると思います。

具体的には、建物を個人から法人に売却(譲渡し)して法人所有とし、賃貸収入を法人に移転します。土地は個人所有のままにし、法人に貸して地代を受け取るかたちにします。

法人設立の手順は、下記のとおりです。

不動産所有法人設立の手続きと手順

・建物のみ個人から法人に譲渡し、賃貸収入を移転する
・土地は個人所有のままにし、法人に貸し地代を受け取る

1.法人の事業内容を決め、設立登記をする ※出資はできるだけ子が行う

2.建物を会社に譲渡する ※簿価による譲渡とする(譲渡益なし)

3.土地の賃貸契約を結ぶ ※法人が個人に土地を借り、通常の地代を支払う

4.「土地の無償返還届」を出す ※借地権課税が発生しないように行う

5.建物の賃貸契約を変更する ※法人と建物借主との契約にする

 法人に利益を移転し、所得税の発生を防ぐ

ポイントは、「不動産所有法人」の出資持分は、できるだけ子が持ち、法人に利益が蓄積されても親の財産が増えないようにすることにあります。

建物は毎年減価償却をしていけば、簿価(未償却残高)が時価として認められ、譲渡益は認識されません=建物譲渡による所得税は発生しません。ただし、譲渡する個人が消費税の課税事業者である場合は、建物譲渡に消費税がかかってきます。

なお、借地権の課税問題を発生させないために、法人と個人の連名で「土地の無償返還届」を税務署に提出します。

相続時には、20%の評価減ができる

法人が、地主である個人と土地の賃貸借契約を結ぶことにより、相続時には、土地の評価額から賃貸借分として20%の評価減が可能となります。これにより毎年の所得税の節税が可能となり、それと同時に財産の増加を防ぐことができ、相続税対策も行うことができます。

また、法人ですので、さまざまな事業を行うこともできるようになります。

また、利益が蓄積していけば銀行からの信用力もつき、事業を拡大していくことも可能でしょう。ぜひ、検討されてはいかがでしょうか?

※リンク
絶対押さえておきたい、相続税の節税対策その① まずは、財産の概算評価をしよう
絶対押さえておきたい、相続税の節税対策その②「小規模宅地等の特例」をしっかり使う
絶対押さえておきたい、相続税の節税対策その③ 法人設立は、相続税・所得税対策に有効

(プロフィール)
きたおか・しゅういち 1957年生まれ。税理士。東京メトロポリタン税理士法人統括代表。立教大学経済学部卒業。’80年税理士試験合格。会計事務所勤務を経て’83年独立。’90年東京メトロポリタン・コンサルティング・グループ(株)代表取締役に就任。2009年より現職。不動産会社の顧問、世話役等を通じて不動産関連の相談、対策、申告に豊富な実績を持つ。『社長の「闘う財務」ノート ~ 社長の数字力が会社を鍛える』(プレジデント社)ほか著書多数。

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