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空室対策・リフォーム
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更新日 : 16/03/21

愛の満室経営セミナー⑩「パートナー」という関係づくり

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東京共同住宅協会会長 谷崎憲一

Bさんは非常に有能な方で、十数年前に賃貸マンションを建てられた後も新たな土地活用をされたり、収益物件を購入されたりするなど、多くの資産を持っておられます。

「これまでの業者さんは、どこも良くないので…」

そんなBさんが、リフォーム会社を紹介してほしいと、当協会に相談に見えました。

長年賃貸経営をされているので、「お付き合いされている業者さんがあるのでは?」と聞くと、「近々、大規模修繕をするので、良い業者を選びたいのですが、これまで依頼したところはどこも良くないので」とのお返事でした。

Bさんは何でも自分でやらないと気が済まないタイプのようでしたので、私は複数の評判の良い業者さんをお教えし、これまでにお付き合いのある業者さんも含めて比較されることをお勧めしました。

しばらくして、ご紹介した業者さんの1社から「Bさんの仕事はお断りしました」と連絡がありました。ほかの業者さんも、積極的には受けたくない様子でした。その理由は「Bさんの要求が厳しすぎる」「利益が出ないところまで値下げ交渉をされる」「なにかとクレームをつけられそう」などでした。

そして、誰もいなくなった

ある日、私はBさんの話も聞いてみようと、物件を訪ねました。ちょうど、Bさんは各社の見積書をチェックしている最中。見ると、書類の各項目にびっしりと赤字が入っていて、ダメ・高い・×のコメントとともに、数字が細かく書かれていました。

例えば、足場の費用などは×で、「ブランコ」と記載されていました。そのわけは、「ロープでできる工法があるので、足場の費用は無駄」とのことでした。

確かに足場は、最終的には撤去するものなので、もったいないと思います。しかし、業者さんは、足場がないとていねいな施工ができないため、工事に対して長期的な保証ができないと言います。

Bさんが以前からお付き合いのある業者さんとも話をする機会がありました。すると、値切りが厳しく、引渡しの時にもクレームをつけられ、さらに値引き交渉が繰り返されるため現場は赤字になり、電気やクロスの業者さんも逃げてしまったとのこと。まさに「そして、誰もいなくなった」状況でした。

「お互いに利益の出るお付き合い」が大切

私は、Bさんに「イコールパートナー」の発想、つまり仕事は「お互いに利益の出るお付き合い」をすること、ウイン&ウインの関係づくりが大切であることをお伝えしました。しかし、頭ではわかっても、性分は簡単に変えられないもの。結局Bさんは自力で他のリフォーム会社を見つけ、発注されました。

ところがその後、欠陥リフォームでトラブルが発生。リフォーム工事が原因で起きた雨漏りを巡って、入居者さんと揉めてしまったと聞きました。Bさんが、このまま孤独な賃貸経営に耐えられるのかどうか心配しております。

※リンク

愛の満室経営セミナー

①空室の原因と管理会社の関係
②土地活用は「結婚相手選び」と同じ
③ケチケチ大家さんの悲劇
④情に棹させば、失敗する
⑤賃貸経営は人生観を映す
⑥立ち退き交渉は、あくまで冷静に
⑦好立地でも、マーケティングは必須
⑧不動産で自分の仕事を潰すべからず
⑨セカンドオピニオンという選択
⑩パートナーという関係づくり

(プロフィール)
たにざき・けんいち 都内で唯一の地主さん・家主さんのための団体、「公益社団法人 東京共同住宅協会」会長。15年間の相談部長を経て現職に。東京都耐震化推進都民会議委員、福祉住宅研究会主宰、NPO法人賃貸経営110番顧問など幅広く活躍。厳しいなかにも人間味のある誠実なアドバイスが人気を呼んでいる。アパート・マンションなど自らも大家業を営む。

オールアバウト
http://allabout.co.jp/gm/gp/342/

公益社団法人東京共同住宅協会
http://www.tojukyo.net/

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