LIXILリアルティ.comスマート不動産オーナーズ

相続・税金
LINEで送る

更新日 : 16/02/22

資産を殖やす「資産組み替え講座」⑤未分割法廷相続共有の解決

878f60f02bfbdab9c89faf771e86132a_s

税理士・中小企業診断士 飯塚美幸

相続した土地が6人兄弟の共有に・・・

深刻な面持ちで事務所にいらしたのは、A様を筆頭とした6人のご兄弟。30年前の先代の後相続で、時価数億円の十数の土地がすべて6人共有となっているというのです。

末っ子のF様でさえすでに65歳、A様も75歳になっておられます。どなたか一人でも相続が起きた時は、さらにその持分が次の相続人に分散され、共有者がねずみ算式に増えてしまうことは必定。

不動産は、売却・賃貸・抵当権設定いずれにも共有者全員の同意が必要です。共有者の誰か一人でも反対したら、一切身動きができなくなります。

とにかく多少のコストがかかっても、今すぐにでも、共有状態を解消したい、というご相談です。

法務局の登記原因証書保存は10年間

そこで、まず登記簿を拝見しました。登記原因は当然のように「相続」となります。

実は、「相続」として法廷相続分で登記されている場合には、二通りあります。

①  遺産分割協議で、法廷相続分で分割すると決定された場合と、②遺産分割を経ずにとりあえず相続登記してしまう場合です。法的には未分割状態であり、これは相続人の誰か一人の登記申請で可能です。

法務局には登記原因証書は10年間しか保存されませんので、確認ができまさせん。

皆様によくよくお尋ねしますと、当時遺産分割協議なるものは作っていない、特に5番目の三女の方は、未だかつて実印を持ったことがないとおっしゃいます。

これでは、正式な分割協議書があるはずがありません。

未分割登記のままなら、今から分割協議を

ご長女A様が「そういえば・・・」と、相続後に一部の土地を売却する必要があって、登記を依頼したことがある!と思い出されました。つまり、先述の②の未分割登記のままの可能性があることがわかりました。そうであれば、今からでも正式な分割協議をして、協議書を作成すればよいのです。

法務局は、もう原因証書の確認ができませんので、問題なく受理するのです。全員がご健在だったことは、とてもラッキーです。

そんなことができるんですか!と6人のご兄弟はびっくり。さっそく協議に入りました。

相続税の申告は、すでに時効

共有とはいいながら、すでに30年。ご兄弟それぞれ自宅と敷地はそれぞれに、主要な貸付地は、ご本家を守る嫡子のご長男C様に遺産分割。それ以外は売却により換価分割することとなりました。

これからの遺産分割登記に際しては、現在の固定資産税評価額で登録免許税がかかりますが、売却代金からまかないます。

では、相続税申告は? 当時行われなかったということですが、すでに時効なのです。

※リンク

資産を殖やす「資産組み替え講座」
①再建築不可の旗竿地の蘇生
②賃貸マンションの名義は法人? 個人?
③売却は売りやすい土地から?
④路線価の高い土地と低い土地の交換
⑤未分割法定相続共有の解決
⑥「とりあえず共有相続」の解決
⑦自宅の権利調整
⑧「相続後の有利売却」と利息の経費化
⑨「アパートの贈与」で収益力を増加
⑩「会社借金の肩代わり」と事業転換
⑪「片割れ交換」でWin・Win・Win
⑫売りにくい土地を有利に売るために

(プロフィール)

いいづか・みゆき
税理士、中小企業診断士、事業承継協議会会員、千代田区議会諮問委員、不動産コンサルティングマスター試験委員、成年後見人東京家庭裁判所登録員
静岡生まれ。静岡大学人文学部卒業、平成7年飯塚美幸税理士事務所開業/エクスプレス・タックス株式会社設立、平成22年松木飯塚税理士事務所、平成25年松木飯塚税理士法人設立、代表社員就任、現在に至る。
主著として「小規模宅地特例−実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断」(清文社)、「税理士のための相続税実務−贈与税各種特例」(中央経済社)、「財産を殖やすための相続対策プログラム」(日本法令)、共著として「平成27年度よくわかる税制改正と実務の徹底対策」(日本法令)、「『資本の部』の実務−改正商法・会計・税務」(新日本法規出版)などがある。

ページの一番上へ