LIXILリアルティ.comスマート不動産オーナーズ

相続・税金
LINEで送る

更新日 : 16/02/15

資産を殖やす「資産組み替え講座」④路線価の高い土地と低い土地の交換

55bab37b5c56c23da04beb459adfa6e1_s

税理士・中小企業診断士 飯塚美幸

父上の入院・・・

山田様は、地主様の家系。父上は、郊外で多くの土地をお持ちです。

一方、ご子息は父上の資産を背景に事業をされ、都心部に会社資産やご自身の資産経営を展開されておられます。

この一月、父上が入院されることになり、これは早く対応せねばと、さっそく資産評価を始めることになりました。

評価をしてみると、一つの問題点が挙がりました。父上の不動産はほとんどが郊外地のために、路線価単価が低いといことです。

そのため、相続税の特例である小規模宅地の特例で、「最も減額割合の高い特定居住用宅地等に対する240㎡まで8割減」を適用しても8000万円しか減額効果がないのです。

それに対して、山田様の経営する会社は、父上の財力をバックに、超都心の一等地に進出して建築したもの。その敷地の路線価は、実にご自宅の10倍です。山田様は、はて、と考えました。

10億円の宅地が小規模宅地減額で200㎡まで5割減となるのだから、もし会社の土地が父上のものであれば、小規模宅地の減額効果はそのままでも5億円にもなるはずなのです。

会社の土地と個人の土地を交換!

そこで、父上の土地40億円のうち10億円部分と、10億円の会社敷地を交換することにしました。会社が取得する郊外の土地上の建物は、会社から個人への借地権相当額の認定課税を避けるため、会社が買い取ります。

そして、父上が取得した都心の土地上には会社ビルがありますから、会社と父上で借地権の無償返還届出を提出。借地権の発生を避け、固定資産税の2〜3倍程度の世間相場地代を収受する賃貸借契約を締結しました。

これで、都心部の土地は、貸付用として相続税評価額の8割となった上で、「200㎡まで5割減の貸付用宅地の小規模宅地の減額」が適用できます。会社事業が不動産賃貸でなければ、400㎡まで8割減です。

交換の場合は、交換前と同様に所有していたと見なされるために、万一、父上の相続が早まったとしても、交換後に財産評価を行うことになるからです。

減額効果とコストパフォーマンス

この交換の結果、父上の所有になった都心の宅地の4億円が減額され、交換前に比べて6億円分が相続税課税対象外となり、相続税ベースで3億円が非課税になるというわけです。

さらに交換移転のための登録免許税(固定資産税評価額の2%)や不動産取得税(同4%)と減額効果をハカリにかけて決定することになります。

※リンク

資産を殖やす「資産組み替え講座」
①再建築不可の旗竿地の蘇生
②賃貸マンションの名義は法人? 個人?
③売却は売りやすい土地から?
④路線価の高い土地と低い土地の交換
⑤未分割法定相続共有の解決
⑥「とりあえず共有相続」の解決
⑦自宅の権利調整
⑧「相続後の有利売却」と利息の経費化
⑨「アパートの贈与」で収益力を増加
⑩「会社借金の肩代わり」と事業転換
⑪「片割れ交換」でWin・Win・Win
⑫売りにくい土地を有利に売るために

(プロフィール)

いいづか・みゆき
税理士、中小企業診断士、事業承継協議会会員、千代田区議会諮問委員、不動産コンサルティングマスター試験委員、成年後見人東京家庭裁判所登録員
静岡生まれ。静岡大学人文学部卒業、平成7年飯塚美幸税理士事務所開業/エクスプレス・タックス株式会社設立、平成22年松木飯塚税理士事務所、平成25年松木飯塚税理士法人設立、代表社員就任、現在に至る。
主著として「小規模宅地特例−実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断」(清文社)、「税理士のための相続税実務−贈与税各種特例」(中央経済社)、「財産を殖やすための相続対策プログラム」(日本法令)、共著として「平成27年度よくわかる税制改正と実務の徹底対策」(日本法令)、「『資本の部』の実務−改正商法・会計・税務」(新日本法規出版)などがある。

ページの一番上へ