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相続・税金
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更新日 : 16/01/18

資産を殖やす「資産組み替え講座」③「売却は売りやすい土地から?」

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税理士・中小企業診断士 飯塚美幸

不思議な狭小地

スーパーマーケットを営むA様。土地の固定資産税についてのご相談でした。

A様は、かつては地元で名高い地主様のご一族。土地の固定資産税の分厚い名寄せ台帳をお持ちくださいました。

拝見しますと、何やら様子が変です。小さな地積の土地がおびただしくあります。地図のコピーに色づけしていただくと、小さいだけではなく三角地、袋地、不整形地、無道路地がざくざくです。なかには、額縁のように切り残された土地もあります。

切り売りの果てに

公図と登記簿謄本を拝見すると、大きな土地を文筆し、売却。それを繰り返されてきたことが枝番から読み取れました。

A様は肩をすぼめて、スーパー出店の都度、銀行融資のつなぎや資金の捻出のために土地を切り売りしてきたと話されました。

とにかく、売れる土地から、買い主の言いなりに、買い主が必要な正面道路の良い土地を、必要な面積だけ切り取られ、その結果、先述の不具合な狭い小地ばかりがたくさん残ったのでした。

狭小地の固定資産税は割高

A様を襲ったのは、多額の固定資産税です。狭小地であれ、無道路地であれ、所有権があれば固定資産税評価が付され、固定資産税がキャッシュで課されます。

利用もできない狭小地の固定資産税は、所得税の経費としても落とせません。次には、固定資産税納付のために土地を売り始めました。そう、売りやすい良い土地を、です。

残して活かす土地と処分地の色分けを

A様も経者。ことの重要性に気づかれたようでした。もう一度、地図に所有地を書き込んだ後、絶対残したい土地を赤に、自分では使えない土地を青に塗り直していただきました。

まともに残っている赤い土地は、わずか数枚。狭小地が青い紙吹雪のように散っています。A様は「この青を先に売るべきでしたね」とため息をつかれました。

資産は選択と集中が大切

「固定資産税を払い続けていくくらいなら、今からでも青い土地を処分することにしよう。では、赤い土地はどうしよう」。不安そうなA様に、赤い土地の活用計画を立てることをご提案しました。

青い土地の処分代金で、赤い土地の活用が充分できます。固定資産税も減らせます。なんたって、無借金です。そうすれば、赤い土地の収益で、また良い資産を買い殖やせばいいじゃないですか!

A様の顔が上がり、明るく輝きました。

資産は主導権をもつ人によってこそ活かされ、殖え始めるのです。防戦いっぽうだったA様の起死回生の頑張りが始まりました。

※リンク

資産を殖やす「資産組み替え講座」
①再建築不可の旗竿地の蘇生
②賃貸マンションの名義は法人? 個人?
③売却は売りやすい土地から?
④路線価の高い土地と低い土地の交換
⑤未分割法定相続共有の解決
⑥「とりあえず共有相続」の解決
⑦自宅の権利調整
⑧「相続後の有利売却」と利息の経費化
⑨「アパートの贈与」で収益力を増加
⑩「会社借金の肩代わり」と事業転換
⑪「片割れ交換」でWin・Win・Win
⑫売りにくい土地を有利に売るために

(プロフィール)

いいづか・みゆき
税理士、中小企業診断士、事業承継協議会会員、千代田区議会諮問委員、不動産コンサルティングマスター試験委員、成年後見人東京家庭裁判所登録員
静岡生まれ。静岡大学人文学部卒業、平成7年飯塚美幸税理士事務所開業/エクスプレス・タックス株式会社設立、平成22年松木飯塚税理士事務所、平成25年松木飯塚税理士法人設立、代表社員就任、現在に至る。
主著として「小規模宅地特例−実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断」(清文社)、「税理士のための相続税実務−贈与税各種特例」(中央経済社)、「財産を殖やすための相続対策プログラム」(日本法令)、共著として「平成27年度よくわかる税制改正と実務の徹底対策」(日本法令)、「『資本の部』の実務−改正商法・会計・税務」(新日本法規出版)などがある。

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