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空室対策・リフォーム
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更新日 : 15/11/16

愛の満室経営セミナー⑦好立地でも、マーケティングは必須

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東京共同住宅協会会長 谷崎憲一

東京の都心部の中でも特にお洒落といわれるエリアで、しかも地下鉄の最寄り駅から徒歩2分。そんな最高の立地にありながら、空室に悩む鉄筋コンクリート造10階建てのマンションがありました。

理想的な立地で、なぜ空室が続いていたのか?

オーナーさんが私たちに相談に来られたのは築4年経った頃で、全18戸のうち5戸も空いたままになっていました。

家賃は20万円台。空室による減収は月約100万円! これでは事業計画も返済計画も全て狂ってしまい、オーナーさんの生活費も出ません。いったい何がいけなかったのでしょうか?

理想的な立地条件ということもあって、このオーナーさんは建築雑誌に出てくるような有名建築家に設計を依頼し、一味違うデザイナーズ・マンションを建てたとのことでした。

しかし、有名デザイナーによる設計は斬新だったものの、寝室を通らないとお風呂に行けないような、いささか使いにくいものでした。

「入居者の使い勝手より、設計者が雑誌に載せたかったのでは?」と思うような間取りと設備仕様でしたが、それ自体は決定的な問題ではありません。

単身者には広すぎ、しかも家賃が高いという結果に…

問題は1戸の広さです。1フロアを2戸に振り分けた形で、間取りは1LDKと2LDKですが、面積は50㎡ほどと、単身者向けには広すぎ、ファミリー向けには狭すぎる、中途半端なものになっていたのです。周辺地域の賃貸ニーズの中心が単身者であるにもかかわらずです。

しかも、1坪当りの賃料は約1万5000円と高額で、単身者向け物件としては家賃が高くなりすぎていました。

一方、50㎡はファミリーにとっては面積が狭すぎます。ゆとりのある人たちは狭い物件には入りたがりませんし、そもそも、賃貸より分譲マンションを志向します。

狭くてもいいという家族は、高い家賃を払って入居しません。そのようなことが理由で、入居者がつかなくなってしまったのです。

ターゲットが曖昧だと、全てに狂いが出てくる

家賃や広さは、地域のニーズに合わせて決めなくてはなりません。

この物件では、立地の良さに甘えて事前の市場調査をしっかり行っていませんでした。そのため、ターゲットが曖昧になり、間取りと家賃設定を誤ってしまい、結果として最高の場所にありながら、経営に苦しむことになったのでした。

解決策としては、まず賃料を見直し、植栽の工夫で雰囲気作りを行い、入居者キャンペーンを実施するなど、入居者確保に邁進。3カ月かけて、ようやく満室に持っていくことができました。

この事例は、立地条件が良い場合でもそれにおごらず、マーケティングをしっかり行うことの重要性を物語るものでした。

※リンク

愛の満室経営セミナー
①空室の原因と管理会社の関係
②土地活用は「結婚相手選び」と同じ
③ケチケチ大家さんの悲劇
④情に棹させば、失敗する
⑤賃貸経営は人生観を映す
⑥立ち退き交渉は、あくまで冷静に
⑦好立地でも、マーケティングは必須
⑧不動産で自分の仕事を潰すべからず
⑨セカンドオピニオンという選択
⑩パートナーという関係づくり
⑪ありがとう
⑫「思いやり」と「信頼」
⑬相続で引き継ぐべきこと

(プロフィール)
たにざき・けんいち 都内で唯一の地主さん・家主さんのための団体、「公益社団法人 東京共同住宅協会」会長。15年間の相談部長を経て現職に。東京都耐震化推進都民会議委員、福祉住宅研究会主宰、NPO法人賃貸経営110番顧問など幅広く活躍。厳しいなかにも人間味のある誠実なアドバイスが人気を呼んでいる。アパート・マンションなど自らも大家業を営む。

オールアバウト
http://allabout.co.jp/gm/gp/342/

公益社団法人東京共同住宅協会
http://www.tojukyo.net/

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