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空室対策・リフォーム
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更新日 : 15/09/24

ファンが集まる物件づくり③この部屋に住みたくてやってきた人たち

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(財)日本不動産コミュニティー理事/大友不動産(有)代表取締役 大友哲哉

入居者の価値や希望を満たした部屋とは?

私のところで考案した事例を3つほどご紹介しましょう。

<事例1.資格報奨金付きマンション>

難関資格に合格し、キャリアアップして収入を増やしたい。そんな課題や希望を持つ入居者が集まる物件。

23.09㎡/1K/家賃3万5000円〜。

●主な特徴

◆資格を取得すれば報奨金が受け取れる ◆照明は、勉強の時と休む時で色や明るさが調節できるLED ◆一階には洗濯時間が節約できる大型コインランドリー ◆すぐに生活できる冷蔵庫付き、など。

このほかにも、奨学金制度を設けた学生向け物件があります。

<事例2. シングルマザー向け「子供をのびのび育てられるアパート」>

母子家庭のお母さんの悩みを軽減し、子育てを応援する物件。

和室2・洋室1の3K/37.26㎡/家賃5万5000円。

●地域の母子家庭の状況を調べると・・・

このケースはターゲットを絞っただけで、特に何かをしたわけではありません。地域の母子家庭の状況を調べると、2Kに住む家庭が多く存在。そこで、3Kの物件をお持ちのオーナーさんに、受け入れを提案したところ、快諾されました。3Kは人気がないからと、必ずしも1LDKに間取り変更しなくてもよいのです。

●主な特徴

◆転んでも危なくない和室は、子供を遊ばせるのに最適 ◆1階が店舗なので、騒音を気にしなくてよい ◆広いベランダで、たくさんの洗濯物が干せる、など。

母子家庭だけでなく高齢者の単身世帯、高齢の親と子の世帯、外国人など、サポートを待っている人が大勢います。単なる空室対策として入居を受け入れるのではなく、プラス思考で「その人たちにとっての価値」を見つけて提供すれば、入居者さんもオーナーも嬉しいアパートへと再生するでしょう。

<事例3.単身女性向け「セキュリティ重視のマンション」>

女性の1人暮らしを応援し、親も安心できるおしゃれな物件。

28.15㎡/1K/家賃6万8000円。

●主な特徴

◆防犯に配慮(カラーモニター付きインターフォン、オートロック、防犯カメラ複数設置)◆料理好きに嬉しい2口コンロ ◆水回りの充実(浴室手前に洗濯機、浴室乾燥機設置) ◆無料インターネット完備、など。

ご紹介した事例の入居者さんたちは、全員「この部屋に住みたい!」と指名してきた人たちです。

 「そんなの欲しかった!」そう思われる物件をつくろう

入居者さんたちの要望は、管理会社やオーナーからするとわがままと思えることもあります。しかし、冷静に考えると実現可能なことがいろいろあります。問題を見つけ、解決方法を考え抜くことで一般のビジネスは生き抜いてきました。

例えば、朝専用の缶コーヒーは、カフェインを少し多くしたものですが、消費者ニーズの絞り込みによって、新しい市場が誕生しました。よりおいしいコーヒーを追求したのではなく、人の行動と潜在ニーズから逆算して開発されたのです。まさに「そんなの欲しかった!」商品となりました。今後、アパートもそうありたいものです。

●目標を同じくする人たちの夢の箱

昭和30年代、手塚治虫はじめ多くのマンガ家が集まった「トキワ荘」は、目標を同じくする人たちの夢の箱でした。そこは設備などを越えた価値がある、いわば昭和の「ファンが集まる物件」でした。

コンセプトや対象は多種多様でも、現代版「トキワ荘」のようなアパートをつくれたら素晴らしいと思いませんか? 入居者に価値を提供し、その対価として家賃を受け取る…オーナーとしての理想の一つはここにあるのではないでしょうか。単なる貸家業から脱却し、「ファンの集まる物件づくり」に向けて動き出してみませんか?

※リンク

ファンが集まる物件づくり<その1>賃貸オーナーが直面している現実とは?
ファンが集まる物件づくり<その2>真に大切にすべきことは、モノよりヒト
ファンが集まる物件づくり<その3>この部屋に住みたくてやってきた人たち

(プロフィール)

おおとも・てつや 1974年千葉県生まれ。大友不動産(有)代表取締役。不動産投資戦略マスター。1998年明海大学不動産学部卒業。大手不動産会社を経て、2003年大友不動産(有)を設立。浦田健氏の理念「不動産で世の中の人を幸せにする」に共鳴し、師事。2008年、浦田氏らと(財)日本不動産コミュニティー設立、「不動産実務検定」を作り全国展開、現在、同理事。セミナーを多数。著書に『空室対策やるだけムダ!』(週刊住宅新聞社)がある。http://warasibe.tokyo.jp/

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