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更新日 : 15/08/10

アパートの「事業承継」と「後継者育成」<その1>何を引き継ぐのか? 基本の心得と体制づくり

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税理士・中小企業診断士 飯塚美幸

 事業承継には、適齢期がある

賃貸物件をお持ちのオーナー様は資産の多少にかかわらず、だれに継がせるかを決め、相続や事業承継の手続きを行わなくてはなりません。しかし、気になりながらどう着手すればよいか分からず、問題を先延ばしにしている方、またどういう状態で渡すべきか課題をかかえている方が多いことと思います。

 50歳、60歳はバトンタッチの時期

特に50代、60代の方は相続の時期を控えているか、先代からの資産や事業を継いで間がないのに、ご自分が後継者にバトンタッチする時期を迎えています。一般社会での定年は60歳前後であり、特に男性はその年齢頃から死亡率が高くなっていますから(国立社会保障・人口問題研究所調べ)、この時期が事業承継適齢期であり、それまでに後継体制を作っておくべきといえます。

オーナーにも後継者にも、2つのタイプがある

オーナー様には実務はプロに任せてしまう「純オーナー型」と、自ら経営実務を行う「経営オーナー型」の2つのタイプがあります。負荷が大きいにもかかわらず、多いのは「経営オーナー型」です。

 ●賃貸経営に関心の高い後継者と、そうでない場合と

一方、後継者のなかには賃貸経営に関心が高く、ご自分で経営に積極的に取り組んでいく方もあれば、財務や交渉は苦手という方もあります。後者の場合は各分野のプロに入ってもらい、無理なく不動産経営をしていける仕組みづくりが大切となります。もし、子供が不動産経営に向いていないと判断した場合は割り切って優れたプロに任せ、上手に使いこなすという方法をとるのがいいでしょう。

●経営者の自覚とノウハウを引き継ぐ

いずれにせよ、不動産の承継とは単に不動産そのものだけではなく、経営者としての自覚とノウハウを引き継ぎ、資産をさらに大きく成長させていくものでなくてはなりません。そのためには、オーナー様ご自身も後継者となるべき方も共に勉強し、前向きに取り組んでいかなくてはなりません。

 信頼できる優秀なプロを選び、サポート体制をつくる

アパート・マンションであれビルであれ、賃貸経営を行っていくには、金融、法律、税務、財務、経理ほか必ず知っておくべきことが多く、その内容・実務は多岐に渡っています(表参照)。しかし、いずれも学校教育や一般のビジネス教育で得られる学問上の知識だけでは、実際には役に立たないことがほとんどです。教えてくれるところもないので、自分で意識的に勉強しなくてはなりません。

 ●その道のプロを使いこなす

一方、何でも自分でと頑張っても効率が悪く限界もありますから、自分で勉強すると同時にそれぞれの道のプロを使いこなす必要があります。自分が何を知っているかより、力のあるプロを何人知っているかが重要といえます。また同じプロでも分野によって得手不得手がありますから、その点をよく留意して人柄・実績ともに信頼できる優秀な人物を選び、ネットワークやサポート体制づくりを行わなくてはなりません。

※リンク
アパートの「事業承継」と「後継者育成」<その1>何を引き継ぐのか? 基本の心得と体制づくり
アパートの「事業承継」と「後継者育成」<その2>個々の物件に即して、具体的に検証していく
アパートの「事業承継」と「後継者育成」<その3>人は、価値あるものにお金を払う

(プロフィール)

いいづか・みゆき

●税理士、中小企業診断士、事業承継協議会会員、千代田区議会諮問委員、不動産コンサルティングマスター試験委員、成年後見人東京家庭裁判所登録員
●静岡生まれ。静岡大学人文学部卒業、平成7年飯塚美幸税理士事務所開業/エクスプレス・タックス株式会社設立、平成22年松木飯塚税理士事務所、平成25年松木飯塚税理士法人設立、代表社員就任、現在に至る。
●主著として「小規模宅地特例−実務で迷いがちな複雑・難解事例の適用判断」(清文社)、「税理士のための相続税実務−贈与税各種特例」(中央経済社)、「財産を殖やすための相続対策プログラム」(日本法令)、共著として「平成27年度よくわかる税制改正と実務の徹底対策」(日本法令)、「『資本の部』の実務−改正商法・会計・税務」(新日本法規出版)などがある。

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