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更新日 : 15/07/21

私は「定期借家」をこう活用している<その1>よい環境づくりは、オーナーの大きな役割

賃貸オーナー 賃貸UP-DATE実行委員会代表  林 浩 一

「定期借家」(以下、定借)を導入して約4年が経ちました。私がなぜ「定期借家」を選択したのか、まずそのきっかけについてお話しします。

父から賃貸事業を引き継いで間もなく、2011年の春にアパートを新築しました。その時、あらためて今後の賃貸経営の在り方について考え、現状把握のために賃貸オーナーをしている友人・知人を訪ねました。それでわかったことの一つが、みなさん少なからず滞納や不良入居者の問題で苦労をしているということでした。

たとえば滞納家賃は回収できず、退去してもらうのに立退料や引っ越し代を払ったり、騒音問題を起こしている本人ではなく、優良入居者が退去してしまうなどです。従来の「普通借家」契約では通常のできごとですが、私は自分の物件では、そうならないようにしたいと思いました。また、入居者全員が快適に過ごせる環境づくりは、オーナーの大きな役割であり、そのためには、「定借」がよいと考えたのです。

25年間、賃貸経営を行ってきた父もそうですが、当時、周辺物件はすべて普通借家契約で、「定借」を活用している大家さんも管理会社さんもありませんでした。探し続けて、ようやく少し離れたエリアで、「定借」に積極的な管理会社さんに会うことができ、短期間で全戸成約となりました。

海外では、定期借家が当たり前

入居者が抵抗を感じるので、「定借」に踏み切れないという声をよく耳にします。契約終了後も続けて住む場合、「普通借家」では更新、「定借」では再契約となります。「普通借家」では、契約更新の手続きが行われなくても法定更新(自動更新)されるため、退去してほしい入居者が居座ることになりますが、「定借」では再契約をしない限り、期間終了と同時に退去となります。

問題のない入居者と再契約をすればよい

オーナーにとって「優良入居者」に続けて住んでもらうことは大歓迎ですから、問題がなければ、再契約をすればよいのです。入居者のなかには問題を起こす人もいます。賃貸住宅では、騒音やゴミ出しに関する規則を守ること、家賃を支払うことはあたり前のことですので、最初からルールに難色を示す方には入居してもらわなくてよいと、私は思っています。現在、父の代からの7棟61戸も「定借」に移行中です。

定期借家は、賃貸契約のグローバルスタンダード

入居者への説明が面倒だという声も耳にしますが、きちんと説明すれば理解していただけます。そもそも説明は契約内容の確認であり、オーナー側からのお願いでもあり、入居者さんの考えを知る機会でもありますから、ていねいに行うことが大切だと思います。

私は、学生時代はカリフォニアの大学に留学し、旅行会社のサラリーマンをしていた時代にはシンガポール、タイ、フィリピンなどに駐在しましたが、どの国もすべてが「定借」でした。「オーナーと入居者が合意の上で自由に契約し、お互いに約束を守ること」が前提の「定借」は、賃貸借契約のグローバルスタンダードだと思います。

※リンク
私は「定期借家」をこう活用している<その1>よい環境をづくりは、オーナーの大きな役割
私は「定期借家」をこう活用している<その2>基本を踏まえ、自分に合ったルールをつくる
私は「定期借家」をこう活用している<その2>「定期借家」で、安定した基盤づくり

(プロフィール)
はやし・ひろかず 1960年生まれ。長年、海外旅行業界の仕事に従事し、様々なツアーを企画し、多くのヒット商品を生み出す。2011年、父から賃貸事業を承継し、賃貸住宅の夢を詰め込んだアパートを新築。現在、横浜市青葉区・中区にアパート・テラスハウス、学生寮、区分マンションなどを所有。駐車場・貸地の経営&管理も行う。空室対策、定期借家などをテーマに講演、執筆多数。日本経済新聞、週刊住宅新聞、全国賃貸住宅新聞ほか多くの媒体で紹介さる。J-REC公認不動産コンサルタント、賃貸UP-DATE実行委員会代表、全国大家ネットワーク理事。共著に『行動する大家さんが本気で語る 選ばれる不動産屋さん 選ばれない不動産屋さん』(清文社)がある。

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