LIXILリアルティ.comスマート不動産オーナーズ

相続・税金
LINEで送る

更新日 : 15/06/08

リフォーム費用の分類と節税対策<その2>分類は「金額」と「工事内容」の両面で、賢く判断を!

大家さん専門税理士 賃貸オーナー 渡邊浩滋

「修繕費」と「資本的支出」の区分方法

修繕費と資本的支出の分類は、「形式基準のフローチャート」を使用する場合が多いです。
(参考例)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kigawa/taxnews/houjin/syuzenchart.htm
もう一つ、節税のために知っておきたい基準があります。たとえば、エアコンや給湯器などの設備を新しいものに取り替えた場合は、「資本的支出」として減価償却を行うのが原則ですが、次の場合は全額経費にできます。

①1個につき、10万円未満のもの
②青色申告者の場合は1個につき、30万円未満(総額300万円まで)
これら2つの基準を使い、できる限り「修繕費」に計上することが節税のポイントとなります。

●リフォームの「見積書の項目」を区分する
具体的な方法としては「リフォームの見積書」の内容を項目ごとに区分し、次のように分類していきます。
●明らかに原状回復に該当する工事項目や20万円未満の工事項目は「修繕費」
●資産価値が上がる工事項目で、20万円を超えるものは資本的支出
決して金額だけで判定するのではなく、工事内容によって「修繕費」か「資本的支出」に分けることが原則と覚えておきましょう。

●区分のポイント
①「資本的支出」に該当しても、20万円未満ならすべて修繕費
②3年以内の周期で修繕・改良などを行っているものは全額修繕費
③金額にかかわらず、明らかに修繕といえるものは全額修繕費
④区分不明なものは、60万円未満または取得価額の10%以下ならすべて修繕費

■例.見積書を「修繕費」と「資本的支出」に分けた例※単位:千円

【工事内容】 【見積金額】 【区分】
クロス・CF張替え 158,911  修繕費
バリアフリー工事  241,281 資本的支出
畳張り替え 39,891 修繕費
キッチン工事  422,346 資本的支出
洗面所工事 85,014 修繕費
トイレ工事 40,872 修繕費
その他原状回復工事 244,143 修繕費
諸経費 45,150
合計  1,232,595
修繕費 568,831
資本的支出 663,764
合計 1,232,595

 

リノベーションは計画的に

節税を考えるなら「修繕費」になるリフォームを行ったほうがよいのですが、絶対的にリノベーションが必要な物件もあります。古い間取りや設備で空室が埋まらない場合などは、抜本的なリノベーションが求められます。前述のように「資本的支出」は、キャッシュフローが悪くなりますが、そのことばかりを気にしていたら空室は埋まりません。そこで重要になるのが、キャッシュフローが悪くなることをあらかじめ想定し、計画を立てることです。たとえば、3年後に100万円のリノベーションを行うとするなら、逆算して毎月3万円ずつ修繕積立金を積み立てていくのです。

●「修繕費」を経費として積み立てる方法
修繕積立金は経費になりません。しかし、次の方法をとれば、経費として積み立てることができます。

①小規模企業共済に加入する
②法人化して保険や共済で積み立てする

このように「修繕費」と「資本的支出」を区分して対策を行うことで、税額は大きく異なり、ひいては手残り金額に差が出てきます。正しい知識と賢明な選択によって、ぜひとも足腰の強い賃貸経営を行っていただきたいと思います。

※リンク
リフォーム費用の分類と節税対策<その1>「修繕費」と「資本的支出」では、手残りに差がつく!
リフォーム費用の分類と節税対策<その2>分類は「金額」と「工事内容」の両面で、賢く判断を!

(プロフィール)
わたなべ・こうじ 税理士・司法書士。明治大学法学部卒業。総合商社勤務を経て税理士試験に合格。2008年、両親から危機的経営状態の5棟86室のアパートを継ぎ、税理士業と並行して経営を立て直す。2011年独立開業。税理士・司法書士の強みを活かし、不動産のスペシャリストとして、また大家の視点から賃貸経営のアドバイスを行う。セミナー、講演多数。著書「税理士が教える節税Q&A」(共著)。「大家さんのための超簡単!青色申告」(共著)。「Q&A固定資産税は見直せる」(共著)。「行動する大家さんが本気で語る選ばれる不動産屋さん選ばれない不動産屋さん」(共著)
http://www.w-sogo.jp/
http://ameblo.jp/zeirishiohya/(ブログ)

ページの一番上へ