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空室対策・リフォーム
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更新日 : 15/05/07

愛の満室経営セミナー④情に棹させば、失敗する

東京共同住宅協会会長 谷崎憲一

 築30年のアパートの大規模リフォームを提案

大家さんからの相談を長く受けていると、印象に残る方に出会うことがあります。3年前、ご相談に来られたAさんは、とても感じのよいご婦人で、都内に築30年の賃貸アパート12世帯を所有されていました。 それは、お父様から相続を受けたアパートでした。彼女の悩みは、アパートの老朽化が進行し、空室や雨漏りなど不定期に発生する修繕でした。そこで、私は満室経営を目指して、思い切った大規模リノベーションをご提案。私がご紹介した2つのリフォーム会社から調査・設計・見積り書が出てきました。 2社に依頼したのは、やはり比較検討する必要があるからです。1カ月ほどで個性的なリフォーム案が出揃い、見積り金額はどちらも1000万円くらいでした。Aさんにとっては覚悟していた金額でしたが、やはり痛い出費となります。しかし、今後もこのアパートに長期的に安定して稼いでもらうには、どうしても必要な出費であることを理解・決断していただきました。そして、1社に絞り、契約に向けて折衝していたのですが…。

契約の前日に、キャンセルしたいとの連絡が…

契約の前日、突然、Aさんから契約できないという連絡がきました。もちろん、大きな出費ですので迷ったり不安になったりすることもあるでしょう。私は、Aさんの気持ちも尊重したいと思い、理由を尋ねました。すると、工務店を経営する仲の良い従兄弟がいて、彼が1000万円を切った金額で請け負ってくれるというので、急遽、キャンセルしたいというのです。私は、工務店さんの規模や実績を聞いて率直に苦言を呈したのですが、Aさんの決意は固く、意見をゴリ押ししていると私自身が誤解されかねませんので、ご紹介したリフォーム会社さんには丁重にお詫びして降りてもらいました。

対等に意見が言えるリフォーム会社に

ところが、1カ月後にAさんから緊急の相談がありました。伺うと、従兄弟の工務店は予算を削るために素材を次々と変更し、また考えられない施工ミスや行き違いが発生するなど、支払いで揉めているとのこと。 彼女が言うには、納得できないことばかりだったけれど、親戚付き合いの遠慮もあり、リフォームが終わるまで我慢していたとのことでした。最終的に解決に向けてアドバイスはしましたが、結局Aさんと従兄弟との関係は悪化し、長いお付き合いは断絶し、親戚からも不本意な扱いを受けるなど相当に嫌な思いをされたようです。建築やリフォームはクレーム産業ともいわれるように、何かとトラブルが生じやすく、軌道修正がつきものです。業者さんに納得のいく仕事をしてもらうためには、情に左右されず、対等に意見が言えるリフォーム会社を選ぶことをおすすめします。

※リンク

愛の満室経営セミナー

①空室の原因と管理会社の関係
②土地活用は「結婚相手選び」と同じ
③ケチケチ大家さんの悲劇
④情に棹させば、失敗する
⑤賃貸経営は人生観を映す
⑥立ち退き交渉は、あくまで冷静に
⑦好立地でも、マーケティングは必須
⑧不動産で自分の仕事を潰すべからず
⑨セカンドオピニオンという選択
⑩パートナーという関係づくり
⑪ありがとう
⑫「思いやり」と「信頼」
⑬相続で引き継ぐべきこと

(プロフィール)
たにざき・けんいち 都内で唯一の地主さん・家主さんのための団体、「公益社団法人 東京共同住宅協会」会長。15年間の相談部長を経て現職に。東京都耐震化推進都民会議委員、福祉住宅研究会主宰、NPO法人賃貸経営110番顧問など幅広く活躍。厳しいなかにも人間味のある誠実なアドバイスが人気を呼んでいる。アパート・マンションなど自らも大家業を営む。
オールアバウト

http://allabout.co.jp/gm/gp/342/

公益社団法人東京共同住宅協会

http://www.tojukyo.net/

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