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相続・税金
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更新日 : 15/04/13

家族が幸せになれる相続③節税対策の基本<その1>相続税改正のポイントと対策

弁護士・税理士  長谷川裕雅

 オーナーとして注目すべきこと

平成25年度の税制改正で「相続税の増税」が決り、平成27年1月1日から適用されました。基礎控除の大幅な減額によって、これまで相続税に関係がなかった方でも相続税がかかるケースが出てきます。特に、都心部に不動産を持っている方は、それだけで相続税が発生する可能性が出てきます。

他方、「小規模宅地等の特例」の適用面積が増えた点は、減税方向の要素ともとれますが、適用条件に当てはまらなければ、増税の重みだけがのしかかることになります。また「教育資金の一括贈与の非課税特例」や、「住宅取得資金の贈与の特例」「配偶者への居住用財産の贈与の特例」などにも、注目する必要があります。

相続税改正の内容

主なポイントは、次のとおりです。

①基礎控除額の引き下げ

基礎控除額とは、単純に言えば、相続財産がこの額を超えなければ相続税がかからないというボーダーラインのことです。

法定相続人が3人の場合、改正における基礎控除額は8000万円(5000万円+1000万円×3人)。それが改正後は4800万円(3000万円+600万円×3人)に引き下げられましたので、課税される方が増えることになります。

 ②税率構造の改正

税率区分が6段階から8段階に変更されたことに加え、2億円超に対する税率が上がり、最高税率は50%から55%になりました。

 ③「小規模宅地等の特例」の上限面積の拡大

「小規模宅地等の特例」の適用面積の上限が拡大されました。また、特定居住用宅地と特定事業用宅地の完全併用が可能となりました。

 ④贈与税の税率の緩和

相続税が増税される一方、贈与税率は緩和されました。相続税の税率構造改正に伴う最高税率等の調整や、20歳以上の者が親や祖父母などから贈与を受けた場合の贈与税の軽減といった改正により、贈与税の税率構造が、直系尊属から贈与を受けた場合と、それ以外の2つに分かれました。

 ⑤「相続時精算課税制度」の要件緩和

贈与者の年齢要件が65歳以上から60歳以上に下げられ、子だけでなく孫も受贈者になれます。ただし、孫の場合は原則として、相続税の精算時(申告時)に、2割加算の対象となりますので注意が必要です。

 ⑥「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」

「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が、時限付きで創設されました。父母・祖父母から子・孫への教育資金に係る一括贈与は、1500万円までは贈与税がかからなくなります。適用されるのは、学校等に支払われる授業料や入学金、または予備校や塾などに支払われる学費などです。

 適用について

⑥の「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の適用は、平成25年4月1日〜平成27年12月31日に拠出されるものまでが対象となります。①②③④⑤の適用は、平成27年1月1日以降の相続からとなっています。

※リンク

家族が幸せになれる相続①不動産の遺産分割<その1>分けにくい不動産は分けやすくする
家族が幸せになれる相続②不動産の遺産分割<その2>土地の評価と相続対策
家族が幸せになれる相続③節税対策の基本<その1>相続税改正のポイントと対策
家族が幸せになれる相続④節税対策の基本<その2>相続財産を減らし、評価を下げる

(プロフィール)
はせがわ・ひろまさ
相続弁護士・東京法律事務所代表(第一東京弁護士会所属)。弁護士・税理士。早稲田大学卒業後、朝日新聞社に入社。刑事事件の記者として活躍するなか、一念発起し弁護士に。現在、敏腕若手弁護士として、多くの相談者から絶大な信頼を得ている。サザエさんの「磯野家」を例にした著書『磯野家の相続』が人気を博す。『週刊文春』での連載も好評。相談は相続弁護士・東京法律事務所へ。

http://www.isansouzoku-navi.com/

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