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相続・税金
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更新日 : 15/04/06

家族が幸せになれる相続②不動産の遺産分割<その2>土地の評価と相続対策

弁護士・税理士  長谷川裕雅

 土地の評価方法

土地の評価方法は、一般に次の4つです。

●実勢価格(取引価格)

●地価公示価格(標準価格)

●相続税評価額(路線価方式・倍率方式)

●固定資産税評価額

相続財産の評価をする場合、「遺産分割における財産評価」と「相続税を計算する際の財産評価」は違います。
相続税の課税額の評価に用いるのは「相続税評価額」と「固定資産税評価額」です。遺産分割の場合は時価で評価しますが、その際に「相続税評価額」や「固定資産税評価額」と合わせて、不動産評価の指標として使用される「実勢価格」や「地価公示価格」も参考にします。

●評価額の目安

一般的に、相続税評価額や固定資産税評価額は、地価公示価格や実勢価格より低く設定されています。地価公示価格を基準とすると、相続税評価額は8割程度、固定資産税評価額は7割程度。
例えば、地価公示価格がわかれば、その価格に0.8を乗じた額が、相続税評価額の目安となります。また、固定資産税評価額がわかっているのであれば、固定資産税評価額を0.7で割れば、地価公示価格がわかることになります。

 相続税評価額が、安く設定されている理由とは?

相続税評価額が地価公示価格より低く設定されている理由は、相続税評価額が高いと、相続税を納めるために土地の売却を急がせ、結果として相続財産の土地が安く買いたたかれてしまうことを防止するためです。

●相続税は、現金より「土地で相続」のほうが安くなる

相続税評価額が、実勢価格や地価公示価格の約8割で評価されるということは、不動産を相続することの方が、現金や預貯金を相続することに比べて税金面で優遇されていることを意味します。
例えば、現金1億円を相続した場合は額面通りの評価がなされ、「1億円」に対して相続税がかかります。これに対し、実勢価格1億円の不動産を相続した場合、相続税の課税基準である相続税評価額は約8割で8000万円。相続税は、この評価額「8000万円」に対してかかります。つまり、現金より土地で相続したほうが、相続税が安くなります。
ただし、このように一般的な目安は出せても、時価は算出しにくいのが不動産です。また、不動産は簡単に現金化できず、換価分割を希望しても、思うような値段が付かないことが多いので注意が必要です。

 「モメない相続」のために、できること

①代償金などのために、現金を用意!

評価が定まると、不動産を相続した相続人は他の相続人に対して、代償金を支払うことになります。この代償金がないと、遺産分割が難航することになります。
また、高額の相続税がかかる場合には、相続税の納税資金として現金がすぐに必要になります。納税資金の準備ができないと、結局は不動産を処分することになってしまいます。
代償金や納税資金として必要となる現金の代わりとして、生命保険を利用することもできます。生命保険金は受取人固有の財産となり、相続財産ではありません。つまり受取人に指定した者に、直接渡せますので、代償分割や納税資金に活用することができます。

 

②収益性の低い不動産は処分しておく

不動産を複数所有しているなら、いっそのこと収益性の低い不動産を処分して現金に替えておくことも検討する価値があります。
譲渡益に対して譲渡所得税または長期譲渡所得税がかかりますが、不動産を売却して早期に納税資金を確保しておくことで、相続開始後に慌てて売却する必要がなくなります。相続人の負担も軽くなり、買い手のペースで売買の交渉が進められてしまう可能性も低くなります。
不動産の売却代金は、納税のための大切なお金ですから、他の金融資産と区別しておくとよいでしょう。

③資産構成を考える!

資産を不動産だけに集中させるのではなく、現金預貯金や有価証券、生命保険など換価性が高く、分けやすい財産にすることが重要です。
場合によっては不動産を分筆したり、賃貸不動産を2件所有する、また郊外の不動産ではなく、中心部の不動産に買い替えて貸しやすくするなどの工夫も一考の余地があります。

 

※リンク

・家族が幸せになれる相続①不動産の遺産分割<その1>分けにくい不動産は分けやすくする
・家族が幸せになれる相続②不動産の遺産分割<その2>土地の評価と相続対策
・家族が幸せになれる相続③節税対策の基本<その1>相続税改正のポイントと対策
・家族が幸せになれる相続④節税対策の基本<その2>相続財産を減らし、評価を下げる

 

(プロフィール)

はせがわ・ひろまさ

相続弁護士・東京法律事務所代表(第一東京弁護士会所属)。弁護士・税理士。早稲田大学卒業後、朝日新聞社に入社。刑事事件の記者として活躍するなか、一念発起し弁護士に。現在、敏腕若手弁護士として、多くの相談者から絶大な信頼を得ている。サザエさんの「磯野家」を例にした著書『磯野家の相続』が人気を博す。『週刊文春』での連載も好評。相談は相続弁護士・東京法律事務所へ。

http://www.isansouzoku-navi.com/

 

 

 

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