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相続・税金
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更新日 : 15/03/30

家族が幸せになれる相続① 不動産の遺産分割<その1>分けにくい不動産を分けやすくする

弁護士・税理士 長谷川裕雅

 分けられない「不動産」はモメるもと

相続(遺産分割)において、分けられない財産がある場合はモメるといわれます。そうならないように、事前に対策を講じておくことが大切です。

●相続財産が自宅不動産のみの場合
不動産は一般的に現物分割しにくいため、代償分割または換価分割によって遺産分割がなされます。もし、自宅しか財産がない場合、自宅に住み続けたい相続人がいても売却しなければならない状況にもなり得ます。

●「とりあえず共有」がトラブルに
不動産には共有という所有方法があります。安易に行いがちな共有ですが、実は何かと面倒なことが多いのです。

●人に貸すのも一策
ご存知のとおり、貸家建付地や貸宅地など他人が利用している土地の評価は低く、相続税対策では節税効果があります。
もっとも、自由に財産を利用、処分できなくなるために、遺産分割で相続しても利用しにくい財産となり、誰も相続したがらない財産となり得ます。不動産を貸す場合はよく検討することが重要です。

 

不動産は代償分割で!

法律相談を受けていると、モメているほとんどの案件で不動産が相続財産に含まれています。もっと言えば、不動産が相続財産のほとんどを占めていて、他の財産はあまりないというケースが多いのです。つまり、相続財産をどう分割するかは、不動産をどう分割するかの問題になります。ここに相続でモメる大きな理由があります。

●不動産は、分けられない財産の代表格
現金や預貯金なら、取り分の問題はあっても分けることができます。しかし、指輪や絵画のように「分けられない財産」もあります。その代表格が不動産なのです。分割できない以上、「0」か「100」かで分けるしかありません。あるいは、「100」をもらった人が「0」の人に、本来もらえるはずの取り分に値する金額(代償金)を支払って調整するか、売却して現金に換えるしかありません。

 

先代の相続問題が解消されていないケースも

土地が先代の名義のまま放置されているケースは珍しくありません。古くから何代も続く農家の遺産分割協議でのこと。幼い頃から住み続けて親しんできた我が家が、父(被相続人)名義の不動産だと思っていたら、実は祖父名義であることが発覚した、というケースがありました。
この場合、父が住んでいた土地であっても、祖父から父に名義変更をしない限り、父の遺産分割を進めることはできません。父の遺産分割の前に、祖父の未分割不動産の遺産分割を行なわなくてはいけないのです。

 

●関係者は、ねずみ算式に増える
名義変更をしないまま、何年も放置し続けると、相続人だった人が死亡し、さらに次の相続が発生、その都度相続人の数が増え、相続関係がどんどん複雑に。面倒だからといって、先代、先々代での未分割の不動産を放置しないこと。一世代下るごとに、相続人が増えていきます。

 

●「未分割」では、流通できない
また、未分割の不動産は市場の流動化も妨げます。事実上管理しているだけであれば、登記を放置しておくことも可能ですが、市場で流通できる不動産にするためには、未分割のままではいけません。
不動産を分けるうえで一番おすすめの方法は、1人の相続人が相続し、共有にしないこと。ただし不動産の価値は高いので、不動産を相続しなかった相続人に代償金を払う必要が生じます。その際、代償金を算出するベースとなる不動産の評価方法をめぐってモメることもあります。代償金をもらう側は少しでも高く、払う側は少しでも安く不動産を評価したいものですから。

 

※リンク

家族が幸せになれる相続①不動産の遺産分割<その1>分けにくい不動産は分けやすくする
家族が幸せになれる相続②不動産の遺産分割<その2>土地の評価と相続対策
家族が幸せになれる相続③節税対策の基本<その1>相続税改正のポイントと対策
家族が幸せになれる相続④節税対策の基本<その2>相続財産を減らし、評価を下げる

(プロフィール)
はせがわ・ひろまさ

相続弁護士・東京法律事務所代表(第一東京弁護士会所属)。弁護士・税理士。早稲田大学卒業後、朝日新聞社に入社。刑事事件の記者として活躍するなか、一念発起し弁護士に。現在、敏腕若手弁護士として、多くの相談者から絶大な信頼を得ている。サザエさんの「磯野家」を例にした著書『磯野家の相続』が人気を博す。『週刊文春』での連載も好評。相談は相続弁護士・東京法律事務所へ。

http://www.isansouzoku-navi.com/

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