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原状回復・長期修繕
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更新日 : 14/09/04

「地震対策と準備」③「助け合える隣人づくり」が命を救う

災害危機管理アドバイザー 防災士 和田隆昌

賃貸住宅は、分譲マンションに比べて防災意識が希薄

建物に損壊が生じるような大規模地震災害が発生した場合、オーナー(管理会社)は入居者の安否確認をする必要があります。居室内部で事故や被災が発生した場合のことを考え、一定の準備をしておきましょう。救急用品やAEDなどを備えておけば施設内での被害を最小限に食い止める可能性が高まります。

●避難所、避難経路、水や食糧の配給場所を告知

分譲マンションなどに比べ、賃貸住宅に住む人は防災意識が希薄な傾向があります。常日頃から近隣の避難場所、避難所、避難経路、地域での水や食糧の配給場所の情報などを告知しておけば、住民はより安心できます。

最近では自主的な安否確認の申告義務を契約書の項目に加えたり、安否確認を記入するボードなどを設置して、よりスムーズな救出・支援活動に役立てているところもあります。

インフラ停止の長期化に備えて確認、準備しておきたいこと

火災延焼などの危機が迫った場合、あるいはインフラが長期間停止しアパートでの生活が難しくなった場合は、入居者を避難場所や避難所へと移動させる必要があります。自治体によっては集合住宅の住民の避難所への入所を想定していないケースもありますので、事前に確認しておきましょう。

●生活維持のための設備投資も必要な時代に

インフラ停止の長期化は住民の退去につながり、賃貸経営に大きな影響を及ぼします。非常電源や備蓄などインフラが回復するまで生活を維持するための設備投資も、予算の許す限り必要な時代になってきたと言わざるをえません。

「向こう三軒両隣」のコミュニケーションが大切

大地震によってもし室内で被害が発生した場合、発見・救出が遅れると被害が拡大する可能性があります。賃貸住宅の場合は居住者同士のコミュニケーションがほとんどないことが多いため、よりリスクが大きいと言われます。

オーナー(管理会社)がコミュニケーションを強制的に押し付けることはできませんが、少なくとも地域の防災訓練への参加呼びかけを行なうことは有意義です。参加することで地域にどんな人が住んでいるかを確認し、いざという時に助け合える隣人となれるからです。

●オーナーは入居者が顔を合わせる機会をつくりましょう

阪神・淡路大震災では、被災家屋から動けなくなった人の実に70%以上が地域住民により助け出されています。地震災害では72時間を超えるとほとんどの人が助かりません。

広域災害の場合、自治体やレスキュー隊、自衛隊による救助は、まずは大規模な被害が発生した場所に向かうため、自分の所に救援が来るのは何日後になるかわかりません。

災害から自らを救うには遠くの親族よりも、隣人とのコミュニケーションがより大切なのです。いわゆる「向こう三軒両隣」のつき合いがあるかないかで、生命が救われるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

オーナー(管理会社)としては、まずは何らかの形で隣人同士が顔を合わせる機会をつくることが、非常に重要ではないでしょうか。ハード、ソフト両面で準備・対策を行い、地震や二次災害に強いアパート・マンションをつくっていただきたいと思います。

リンク

大家さん必須!「地震対策と準備!」実践マニュアル
その①地震のタイプと被害の状況を知る
その②地震被害から「入居者」と「資産」を守る
その③「助け合える隣人づくり」が命を救う

プロフィール

わだ・たかまさ 災害危機管理アドバイザー、防災士。災害対策全般から火災などの二次災害対策まで、また被災リスクを下げるための地域コミュニティのつくり方など、様々な観点から「災害」や「危機管理問題」に取り組む。講演、TV、マスコミ執筆など幅広く活躍。主な著書に「地震・津波の新常識」(ブティック社)、「大地震発生!!」(KKベストセラーズ)『大地震から家族を救う方法』、iPhone、iPad用電子書籍「地震が起きる前に読む本」(サンマーク出版)ほか。

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