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原状回復・長期修繕
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更新日 : 14/08/20

地震から入居者と建物を守る①「安全基準」の見直しが必須

小野富雄建築設計室代表 小野富雄

東日本大震災で、提起されたこと

災害が起きるたびに、自然の力の大きさと人間の無力を感じさせられますが、東日本大震災での巨大津波は、想像をはるかに超える被害をもたらし、安全性は問題ないと言われていた原発事故を誘発。様々な面で安全基準の見直しを迫られることになりました。オーナーの皆様もご自分の物件について、いろいろお考えになっていることと思います。

建築物の構造は地震被害が出るたびに基準が見直され、法律が改正されてきました。しかし、それでも完璧なものは難しく、東日本大震災では液状化による傾倒建物が多く発生し、単に建物の耐震性だけでは解決できない問題も提起されました。では、オーナーとして、建物の安全性確保に向けてどのような対策をしておくべきか?そのポイントをお話します。

●「配管の破損」による漏水事故

建物の地震被害は、外壁のヒビ割れや傾きだけでなく、外部から見えない、生活機能に関する損傷もあります。

東日本大震災でも、配管の破損による漏水事故などが起きていました。木造アパート、RC構造とも築年数の経過した建物の多くが、給・排水管に配管用炭素鋼管(白ガス管)を使用。内部の錆が進行すると破損し、漏水へとつながります。

特に継手部分がねじ込み式であるため、管の肉厚が薄く、破損しやすくなっていたことも、今回の被害発生の原因となりました。

また、貯湯式の温水器を利用しているマンションでは、振動で転倒し下階へ漏水したという報告がありました(阪神淡路大震災の時にも多く報告されています)。

●回避したい「ライフラインの破損」

このように配管=ライフラインが破損すると、影響は多大です。

災害時に問題となるのが「水とトイレ」。特に給・排水管は破損個所の特定が難しく、修繕は壁を壊してからの作業となるため、復旧に時間を要し避難生活を強いられる事態にも。

賃貸住宅では生活不可となり、契約が解除された例もあります。予測される大地震に備え、配管を破損しにくい状態にしておくことが重要です。

リンク

地震から入居者と建物を守る
その①「安全基準」の見直しが必須
その②耐震方法と建物の寿命
その③アパート・マンションの補強対策

プロフィール

おの・とみお 宮城県生まれ。関東学院大学工学部建築科卒業。小野富雄建築設計室代表。住宅、集合住宅、店舗、公共施設他の建築設計のほか賃貸住宅空室対策、大規模修繕なども行なう。東京都及び世田谷区・目黒区街づくり専門家登録。木造住宅耐震診断員。「水戸タウンハウス設計競技」(最優秀賞)他入賞多数。次世代にきれいな地球を引き継ぎ、地球への負担を少なくすることがモットー。『新しい住まいの設計・増改築全科』他著書多数。

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